特攻インタビュー(第8回)・その16
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特攻インタビュー(第8回) (編集者, 2013/5/17 6:31)
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編集者
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◆ベストを尽くした海軍時代 1
--------その後、戦後の人生で、海軍軍人だったことや、特攻隊員として経験が役に立つたという経験はあります?
粕井‥あの時、体験した「死」というか、「どん底」というか……どんな目にあっても、その頃のことを思えば怖いことは何もないということです。それと、短期間でしたけれども、全身全霊、自分の力を出し切った、という自信です。やればできるという……。
--------戦争を知らない我々が、特攻や戦争のことをどう受け止め、そして、体験者のお気持ちを、どう後世に語り継ぐべきか、粕井さんのお考えを知りたいのですが。
粕井‥聞く人の先入観というか、土台というか……。戦後、非常に曲げられた歴史観、日本の過去に自虐的な史観を持つことは、私は残念だと思います。自虐史観の人に、いくら話してもその土台が違うわけです。だから歴史というのは、それを書いた人の立場、時代によって、どうにでも曲げられて伝えられる場合があります。それを正しい意味における客観的な事実として捉えてもらうという必要があるような気がします。
例えば、東京裁判が正しいかというと……東京裁判というのは事後法です。裁判のために法律が作られて罪が生まれたのだから後からでっち上げたものでしょう。それに基づいて今、国旗も揚げない。近所では私の家だけ国旗を揚げています。ですが、憲法記念日には揚げない。アメリカが占領の最中に押し付けて、押し付けられた憲法をいまだに変更、改正しようともしないような日に、なんで日の丸を揚げる必要があるのか。だけど、祝日は日本国民として誇りを持って、自信を持って、日本の国を立派にしていかなければならないと思って国旗を揚げています。もっと素直にというか、自信を持ってというか、民族の誇りというものを持つために、特攻というものは、こういうものだった……皆の純粋な気持ちの表れであったということを私は伝えたいと思います。
--------我々は先入観を持たずに、実際に体験された方の気持ちを知りたいと思うのですが、粕井さんは特攻をどのようにお考えでしょうか?
粕井‥今の時代は個が大切、何でも己が大切。家・社会・国家というものはウェイトがものすごく低いです。ですが、私たちの育ってきた時代というのは国家、地域、家……特に家というのは非常に大切でした。そういうものを土台に、純粋な気持ちで特攻というものが行われた。だから、その純粋な行動に対しては敬虔な気持ちで、その犠牲に対して我々は敬わなければならないし、そういう方々に対する敬虔な気持ちを忘れてはいけないと思います。
しかし、戦争はどうかというと、戦争は絶対に悲劇です。これはやるべきでない。だけど、戦争にならないために、どういうふうにしたらいいかということでしょう。戦争は非常に悲惨である、だけど、今の民主主義はなんか知らん、人気投票みたいなことになって、国とか、民族とか、社会がよりよくなるためにはどうしたらいいかという自覚もなしに、自分のことしか考えない、自分の議席を守ることが第一だというような人をたくさん選んで、国が右左揺れ動いているということは残念な世の中だと思います。