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特攻インタビュー(第10回) 14

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通常 特攻インタビュー(第10回) 14

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/12/30 5:56
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 ◆特攻から夜間爆撃に その3

 -------1つのエンジンだけで帰還できたのですか?

 田中‥動いたり、止まったりしながらでした。

 岡本‥よく、エンジンがもちましたね。

 田中‥さっき言ったベテランの力ですね。楢木野上飛菅は燃料を余計に積んでいて、それも役に立ったと思います。それで、出水に着陸したんですが、60kg爆弾1発が弾倉に残っていたんです。あれがよく着陸の衝撃で爆発しなかったと思いました。実に運が良かったんですね。整備兵がみんな驚いていました。何しろ、被弾箇所が30数カ所ありましたから、あの一式陸攻が火も噴かず、よくもったと思いました。

 岡本‥機長の榎本中尉が「もう自爆する」と言ったそうですね。

 田中‥川口、楢木野といったベテランが、まだ助かるという見込みを持っていましたけど、それに耳を貸さないで、「もう落ちましょう。自爆しましょう」とね……。生死の境というのは本当に紙一重だと思います。   

 -------弾幕から脱出した後は、機内の雰囲気も変わりましたか?

 田中‥それは変わりましたね。みんな、生きようという意欲が……人間だから本能的にあるわけです。何とか九州へ、出水に帰らなければならないと。だから、さっきも言ったように開聞岳が見えた時、ちょうど朝日が上がって、開聞岳はきれいな円聞型の山ですからね。「ああ、九州に着いたな」と。それは嬉しかったですね。その時は、もうどこに不時着してもいいと思いました (笑)。それで、その時、サイダーか何かを出撃してから初めて飲んだ記憶があります。   

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