特攻インタビュー(第10回) 20
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編集者
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◆若い人へのメッセージ その2
岡本‥つづき
クエートで痛感したのですが、欧米人が何であんなところで頑張っているかというと、派遣された欧米人自身も給料がいい。したがって10年20年住み込んで、帰る時は稼いだお金を持って帰って、ロンドン郊外に1億円で家を買って、残りのお金でゆっくりと暮らすというライフスタイルなんです。だから、日本のシステムと、欧米人たちの考え方と、現地への入り方が違うんです。そういうのを経験すると、今の日本の若い人はパソコンや携帯電話でチョコチョコやっているよりも、語学と海外常識をもっと勉強して、どんどん海外に行かないと。日本企業も海外派遣をしていますけど、若い人は命令だから仕方がないというのがほとんどです。でも、喜んで行くようになって欲しい。それには日本の政府や企業も、海外勤務者の給料に少し色をつけるという程度でなく、例えばイギリスでは、海外に住み込む人の子供はロンドンの寄宿舎に入れる。夏休みが始まると航空会社が子供たちを集めて親の海外勤務地に送る。夏休みが終わると、また飛行機が各地を回って子供たちをロンドンに連れて帰る。イギリスでは、国を挙げて海外勤務者の家族を応援しているんです。日本では子供の教育があり、奥さんもあまり行きたがらないということで、海外に行って住み込むということが非常に難しい。今のように、日本も失業率が高くなって、大学は出ても就職が難しいという時代になったのだから、海外に行ってあらゆるチャンスを掴む。場合によっては永住するくらいの勇気を持って欲しいと思います。
あとは、日本の政治家たちにも言えますが、チャーチルの 「第二次大戦回顧録」とか、ちゃんとした本を読んで、あの時、イギリスはどう考えていたのかとか、どう対処したのかを勉強しないと。中国でもアメリカでもどう考えているのかと、そういうことをもっと真剣に考えて欲しいです。あまりに、日本人が小さなことにチマチマし過ぎて、このままだと先行きが不安です。だから寂しいですよ。こんな国、こんな国民のために、我々の友達がみんな特攻隊とかで死んでいったのかって。恋も結婚もしないで、死んだんですから。それが一番、残念なことです。だから、こんなことを言うのは失礼かもしれませんが、顕彰とか慰霊祭とか、特攻とかに興味を持つのもいいけれど、それは過去のことであって、むしろ、若い人たちは自分の将来のため、これから必要なことを勉強しないといけないのではないかと思います。