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硝煙の海 菊池 金雄 11

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通常 硝煙の海 菊池 金雄 11

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/2/26 9:13
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 清水港向け帰航

 数日後、ラワン材を満載して清水港に向った。 遙か沖合から真先に、雲間に浮かぶ秀麗な富士山を望見、母国近しの感激がわく。

 入港すると局長は、私を連れて「清水次郎長」の墓参りをしたあと「君の処女航海を祝して乾杯しょう」と小料理屋に入った。開口一番「僕は酒が入ったらキリがないので適当なとき切上げてくれ」と言われたものの、困惑しながらご相伴にあずかる。

 雑談のなかで「新米にしては仕事がよくできる」などと褒められ、嬉しかった。彼は、私をからかったものか、適量で帰船したのでホットした。

 清水港でラワン材を約半分揚荷して、二月中旬頃名古屋港に回航 。ここで荷役終了後、同月下旬、定期ドック(入渠)のため神戸の三菱造船所に入渠した。

 ドック中に一時休暇で帰省。南国みやげ代りに持参した、乾いた椰子の実は珍重がられた。

 このとき私は満二十歳となり、乗組員数人と兵庫県の郡部で徴兵検査をうけ、判定は第一乙種で現役入隊を免れた。

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