硝煙の海 菊池 金雄 15
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編集者
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召集令状
火気厳禁の危険物を満載して太平洋のど真ん中を母国向け帰港中のある深夜、局長に「おい、きたぞきたぞ」とたたき起こされた。何事かと思ったら召集令状電報であった。
しかし指定入隊日までに帰国できないので、その旨返報したところ、折り返し召集免除の電報が届いた。
帰国したら、村役場から「点呼延期願」をすぐ提出するよう書類が届いていた。
船員は特別扱いのためか、その後二度と召集令状はこなかった。
ロングビーチ寸景
ロサンゼルス近郊の港、ロングビーチに一度だけ入港したことがあった。
そのとき付近の入江で、多数の小型水上機が発着水する光景を垣間見たが、遊覧飛行ではなかったろうか。
入港後、先輩と一緒にディズニーランドに行く。まるで別世界の感じで、日本では見かけない色々なレジャー具があった。
そのひとつ。天井と床から通電する風変わりな電気自動車に乗った親子が、逆ハンドルのためかガチャンガチャンとぶつかり合って (そのたびに天井の電極から火花が飛んでいた)興じていた。
先輩に面白いからと無理やり乗せられ、肝を冷やした乗物はジェットコースターだった。
驚いたことに、ヤンキーギャルがキャッキャッとはしゃぐのに、私は必死の思いでハンドルにしがみつき「日本男児がこんな所で憤死したらつまらん」と、悲壮感を味わった。(どういう訳か、孫娘のひとりがこの種遊具が大好きとは、宇宙飛行士向きかも知れない)