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特攻インタビュー(第4回)・その10

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通常 特攻インタビュー(第4回)・その10

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2012/3/24 6:50
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 陸軍航空特攻 久貫兼資氏 

 ◆沖縄に向けて知覧を出撃(2)


 --------沖縄までは当時の飛行機で何時間くらい?

 久貫‥3時間くらいかかったと思いますがね。九七式戦闘機の時速は250kmですから。いや、2時間ちょっとで行くのかな?

 --------28日の出撃の時に遺書とかは?

 久貫‥そんなのは書かなかったね。残された現金は小川曹長の発案で残らず国に寄附しました。それに、遺品だの使ったものは全部、整備員に頼んで家へ送るようにしてもらってますからね。だから、当時の写真とかが、たくさん残っているんですよ。私の場合。

 --------本や映画だと、特攻隊の出撃の前夜に酒宴を開いたりするシーンがあるのですが、前夜にお酒を飲んだりとかされたんですか?

 久貫‥した奴もいます。しない奴もいます。

 --------久貰さんは、どちら?

 久貫‥私はしませんでした。

 --------もう、別れはすんだという感じで。

 久貫‥そうですね。

 --------宿泊した兵舎は三角兵舎?

 久貫‥三角兵舎です。一晩泊まりました。

 --------知覧の基地跡に三角兵舎を再現したものがありますけど、枕の位置が正反対だといいますが。

 久貫‥大体、軍隊で寝るときはみんな、隣りとの枕は正反対です。互い違いに寝るわけですよ。だから別に不思議なことではない。

 --------離陸してからは、しばらく順調に飛行を?

 久貫‥離陸して、皆さん、送ってくれたでしょ。上から見るとわかるわけですよね。うわ、随分いるなと。やっぱり、知覧は特攻機が出るから、こうやって、見送ってくれるんだなって。そして、3回、旋回したんですよ。そしたらね、2回目から、その、見送りがね、おかしくなってきたんですよ。バラバラバラって、散っちゃったんです。もう、解散している感じなんですよ。見送りに慣れてるから、離陸したら、すぐ、帰っちゃうのかなって思いました。

 この時、15機のうち11機だけが出たんです。あとの4人が、そこにいましたからね。戦後、話を聞いたらね、空襲警報が出たんだそうです。だから皆、ワーツと分散しちゃったんですね。で、そこを飛んでいったわけですね。

 海に出てから、皆で試射を始めたわけです。いつ、敵機に遭遇してもいいようにね。そうしたら、もともと潤滑油の漏れが多い飛行機でしたからね。最初のうちは気にしなかったんですけど、馬鹿に多いんですよ、漏れ方がね。おかしいな、おかしいなと。そしたら、下からも出てくるのがわかるんですよ。はー、これは困ったなあ、せめて、奄美……もう奄美大島しかないわけですよ、飛行場が。奄美まで持てばなってことでね、持たしてやりたいなってことで飛んでるうちに、もう、口之島(鹿児島県十島村 トカラ列島最北端の島)に来ちゃった。その時、滑圧計を見たらゼロになってるんですよ、油圧が。これはダメだなっていうことでね、中之島(口之島のすぐ南の島)に不時着するか、口之島に不時着するか迷ったんですけど、口之島の方が着陸する砂浜があるような感じに見えたので、そっちに降りたわけですね。

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