特攻インタビュー(第7回)・その5
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編集者
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海軍航空特攻 野口 剛氏
◆厳しかった予科練教育(2)
--------野口さんの頃は、まだ訓練の時間も十分にあったのでしょうか?
野口‥そうですね。正規の期間、訓練しましたから。私の1期か2期くらい後まででしょう。それから、特乙 (※注4)というのができて、予科練を数カ月で出て行った。はっきり覚えていないですが、それですぐ飛行訓練という。それから丙種(※注3)。丙種は予科練3カ月かそこらで全部、実機訓練に行きましたからね。
--------戦争末期になると燃料が無いから訓練も短くなったようですね。
野口‥そう、燃料が無いからね。だから、2年くらい後に入った人は水上特攻に行かされてましたね。飛行機乗りが水上特攻に行ってました。予備学生も同じようにね。
--------戦争中、そういう状況は分かりましたか?
野口‥分からなかったですね。僕らのときは松根油を使って訓練したことがないんですよ。ガソリンですよね。でも日本海軍では一種類しかなくて、91ガソリンと言って、オクタン価91のもので、紫色の燃料でね。それで訓練していました。赤とんぼは87でしたね。私は、訓練は正規の期間やりました。
--------飛行時間はどれくらいだったのでしょうか?
野口‥軍隊時間で総合600数時間ではないでしょうか。私は戦闘機ですから、1回あがって降りてくるまでに30分から40分くらいでしたけれど、爆撃機の方は1回で5時間も10時間もですから、1000時間くらい乗ってたんじゃないかと思いますね。そのかわり着陸回数は、私が記憶しているのは、訓練生が終わって卒業する頃に3000回くらいでしたね。爆撃機に行ったのは、余り回数はないんですよね。その代わり時間は飛んでいるということで。
--------飛行時間と一言でいっても、乗った飛行機の種類によって変わってしまうのですね。
野口‥そうですね。乗った飛行機で全然違うわけですよ。
--------すると、単純に飛行時間が長い方がベテランかというと、そうとも限らない。
野口‥そうそう、そうとも限らない。例えば、二式飛行艇(二式大艇)に乗って、サイパン辺りに行って帰ってくれば、一回で大変な飛行時間になりますからね。
--------数字だけでは分からない、やはり実際に体験した方でなければ分からないことですね。
野口‥そうだと思います。