特攻インタビュー(第7回)・その10
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編集者
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海軍航空特攻 野口 剛氏
◆神雷部隊出撃!(1)
--------神雷部隊の出撃は事前に知らされていましたか?
野口‥色々聞いてみると、前もって攻撃命令は出ていたようです。第1回の神雷攻撃は。私達は当日の朝9時頃だったでしょうか。偵察機からの連絡で「敵の艦船上空に戦闘機が上がっていない」と報告を受けて攻撃に行くぞ、と知らされました。それから飛行機を引っ張り出して、お昼前頃から爆撃機から先に上がっていきました。
--------では、野口さんが出撃命令を聞いたのは当日ということでしょうか?
野口‥はい、当日です。まず、全般的な攻撃命令が出て、三〇六戦闘隊は隊長から、「今日の攻撃は大事な攻撃で、かつ、シビアだぞ」と言われました。そこでまた、「自分の腕で護れなかったら身を持って護れ」と言われて攻撃が始まりました。
ですが、18日の遊撃戦で飛行機も、大分くたびれて修理しなければならない部分が沢山あるので、全機出撃はできないかもしれないと聞きました。ですが、「一機でも多く上がっていくぞ。頑張れ」と、言われましたね。
--------野口さんが出撃されたのは午後になってからですか?
野口‥いえ、午前中です。陸攻よりも零戦の方が速いですから、陸攻が編隊を組んで上空を通過した頃に私達は編隊離陸していましたので、直ぐに追い付いてしまうわけです。
--------そこで一式陸攻部隊と合流して直掩の任務に就いた?
野口‥はい、そうです。
--------野口さんの小隊は陸攻部隊のどの辺を飛んでいたのでしょうか?
野口‥左側の一番後ろでした。その辺りで、上に行ったり下に行ったり左右に振ったりしていたわけです。
--------合流した後は、そのまま、真っ直ぐ沖縄を目指したのですか?
野口‥はい、そうです。
--------どのくらいの時間を一緒に飛んだのでしょうか?
野口‥確か、お昼頃に上がって14時頃までだったと思うので、2時間くらいではないかと思います。後方は気にせず、とにかく、くっついて行けばいいと思って飛んでいました。それで、無線機の性能が良くなかったので、私のところまで聞こえなかったですから、何かあれば、そばに寄って行って手信号で合図してました。途中から飛行機が遅れていくだとか、途中で引き返すだとかは余り見ていませんね。だから、結局、全部で何機行くことができたのか私は分からないんですよ。
--------陸攻隊を見るのは久しぶりでしたか?
野口‥そうですね。大分での合同練習に行ったのと同じように護って付いて行くという感じで。天気の良い日でしたね。
--------陸攻には桜花が搭載されていましたか?それをご覧になりましたか?
野口‥そうそう、ぶら下がっていました。私には、敵の船団も見なかったわけですよ。一番後ろで飛んでいたので前しか見ていなかったわけですが、後ろを気にしてなかったのが良くなかったと思うのですが。
--------そこに敵機が現れた?
野口‥そうです。
--------何時ぐらいとかは分かりませんか。
野口‥分からないですね。私は左側の最後尾で、上に上がったり下に下がったりのバリカン運動をして飛行していたときに敵機にやられたわけです。
--------敵機は編隊のどの辺りから攻撃してきたのでしょうか?
野口‥後ろですね。後ろの上からやられたんです。私は方向舵を撃たれました。そして、後ろから来た敵機は我々の編隊の横へ行きました。敵機は私の左側に出ましたので右から高度を上げて戦おうと思ったわけなんですが、そのまた後ろに別の敵編隊がいたので切り返して高度を下げました。
しかし、方向舵がやられてしまって動かなくなってしまったので、余り時間が経つと打ち落とされるのが関の山と思いまして、低空に移動しなければと思いました。そこで270度方位に、3度から5度くらい振りながら南大東島を見付けて、40分から50分かかったと思いますが、不時着しました。
--------敵機の来襲は、方向舵を撃たれたショックで初めて分かったのですか。
野口‥そうです。敵機を見てる間にどんどん落ちていってしまったので、敵機が何機来てどうだったのかというのはちょっと私には分からないですね。そのまま、南大東島に突っ込んでいってしまったから。
--------野口さんが編隊を離脱するときに、仲間の編隊が撃ち落とされるのを見ましたか?
野口‥はい。火を噴いてるのが見えました。
--------野口さんが島に不時着しようとしているのを追いかけてくる敵機は無かったのですか?
野口‥はい。低空に逃げているときに追ってきている機は無かったです。