特攻インタビュー(第7回)・その21
投稿ツリー
-
特攻インタビュー(第7回) (編集者, 2012/6/15 6:39)
- 特攻インタビュー(第7回)・その2 (編集者, 2012/6/16 6:46)
- 特攻インタビュー(第7回)・その3 (編集者, 2012/6/17 6:36)
- 特攻インタビュー(第7回)・その4 (編集者, 2012/6/18 6:38)
- 特攻インタビュー(第7回)・その5 (編集者, 2012/6/19 6:40)
- 特攻インタビュー(第7回)・その6 (編集者, 2012/6/20 6:36)
- 特攻インタビュー(第7回)・その7 (編集者, 2012/6/21 6:11)
- 特攻インタビュー(第7回)・その8 (編集者, 2012/7/4 8:44)
- 特攻インタビュー(第7回)・その9 (編集者, 2012/7/5 6:43)
- 特攻インタビュー(第7回)・その10 (編集者, 2012/7/6 7:41)
- 特攻インタビュー(第7回)・その11 (編集者, 2012/7/7 8:46)
- 特攻インタビュー(第7回)・その12 (編集者, 2012/7/8 6:44)
- 特攻インタビュー(第7回)・その13 (編集者, 2012/7/9 6:36)
- 特攻インタビュー(第7回)・その14 (編集者, 2012/7/10 6:38)
- 特攻インタビュー(第7回)・その15 (編集者, 2012/7/11 6:19)
- 特攻インタビュー(第7回)・その16 (編集者, 2012/7/12 8:23)
- 特攻インタビュー(第7回)・その17 (編集者, 2012/7/14 8:12)
- 特攻インタビュー(第7回)・その18 (編集者, 2012/7/15 7:31)
- 特攻インタビュー(第7回)・その19 (編集者, 2012/7/16 7:03)
- 特攻インタビュー(第7回)・その20 (編集者, 2012/7/17 6:50)
- 特攻インタビュー(第7回)・その21 (編集者, 2012/7/18 6:43)
- 特攻インタビュー(第7回)・その22 (編集者, 2012/7/20 6:46)
- 特攻インタビュー(第7回)・その23 (編集者, 2012/7/21 7:44)
編集者
居住地: メロウ倶楽部
投稿数: 4298
海軍航空特攻 野口 剛氏
◆若い人に「犠牲的精神」を持ってほしい
--------今は時代が違うからというので、年配の方は黙ってしまう。若い人は聞く耳を持たない……。それではせっかくの野口さんが経験されたノウハウというか、人生の生き方も含めて貴重な財産が受け継がれないように感じます。そこで、野口さんが孫の世代や子孫にこれだけは遺したいというものがあれば、是非お聞かせください。
野口‥確かに僕らが育ったときには、正に軍国主義の真っ最中でしたよね。しかし、あの教育が良かったか悪かったかということは度外視して、中には、あんな教育はなってないという方もいるかもしれないですし、良かったという方がいるかもしれないですが、それはやはり、それぞれ個人で判断していただきたいと思いますね。
僕らなどは、小学生のころから軍人になりたいと言っていた当時、希望はあったし、それに向けて邁進していたわけです。今の人は平和ボケしているからかなあとは思いますが、自分が何をやりたいんだ、自分は何をしたいんだという思いを、なかなか大学生ですら掴めていないんだなと……。 話をただ聞いているのですけども。それでいて、いい会社には入れなければ駄目なんだと。そしたら、就職もしないでアルバイトをして生活していこうというようでは先のことを考えていないのかと……。今は年金の問題などでも、ああいうふうにして忘れちゃった人、あるいは会社がつぶれてしまって年金をもらえない人もたくさんいるのですから、これから、そういう状況に自分が年をとってからなってしまったら困るとか、今の年金制度にも早く入っておかなければという考えはないのかと思いますね。
だから、僕らのときでもそうでしたが、会社を定年になったときでも誰も色々なことを教えてくれるようなことはなかったですよね。我々がいろいろな経験をした後に、いろいろな問題が出てきて、こうだああだという状態になったわけですよね。わがままに生活をしてはいけないなと、ひとつ節度のある生活がいいなと。それと軍隊などのように、助け合うという一つの精神を「犠牲的精神」と我々は言っていましたが……あれは非常にいいことだと思います。勉強場の掃除に3人!と言うと10人くらいがバァーつと出てくる。ああいうふうにね。例えば学校の給食当番なんていうときにも、10人くらい並んで出て来て皆の面倒を見てやるみたいな、そういう感じにならないものだろうかと考えますね。
そうすることで、自分が困ったときに誰からでも面倒見てもらえるようになるのではないかと思いますね。だから軍隊だとか我々がそうですね。カッター訓練も2隻3隻揃うと自然に競争になったり、毎年暮れになると1万mの競走があるわけですが、分隊単位でやるわけです。そうすると、自分だけ早くてもダメなんですよ。全員がそろって入ってこなければダメだと。そしたら途中で加わった人が背中を押すなり担いででも完走させるというような精神を持たされるのが、今の世の中にあっても良いのではないかと思います。だからなにも、そんなに難しいことではないから、そういうような世の中になったらいいのになと思います。そうすれば、我々がやってきたことも、今の若い人にも少しでも理解してもらえるんじゃないかと思いますね。
--------今日は貴重なお話をありがとうございました。
(……了……)