@





       
ENGLISH
In preparation
運営団体
メロウ伝承館プロジェクトとは?
記録のメニュー
検索
その他のメニュー
ログイン

ユーザー名:


パスワード:





パスワード紛失

特攻インタビュー(第7回)・その17

投稿ツリー


このトピックの投稿一覧へ

編集者

通常 特攻インタビュー(第7回)・その17

msg#
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2012/7/14 8:12
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 海軍航空特攻  野口 剛氏
 
 ◆零戦について

 --------野口さんは零戦の52型に乗っていらっしゃったのでしょうか?

 野口‥神雷部隊のときは52塑ですね。訓練は21型22型に乗っていましたけれ
ど。

 --------零戦の操縦について野口さんの印象は?

 野口‥舵の利きが良いですね。僕は乗りやすい飛行機だと思いますね。零戦以外の戦闘機には乗っていないので、他は分かりませんが乗りやすい機だと思いますね。それから、戦後、日本にマスタングP-51が零戦と一緒にきましたよね。あれを見に行ったんですけども、零戦は全重量で2・7tですけど、マスタングの方は5tからあるんですよ。ですから突っ込むと加速度がついてね、スピードがどんどん出る。零戦は軽いから、パワー一杯入れても浮こう浮こうとするから抑えていなければならない。それで、スピードがなかなかつかない。

 だから戦闘機としては、昔は巴戦とかのために、ひねり込みとかの技を習得させられたのですけれど、どちらがいいのかなと言いますと、今は巴戦なんてやらないですからね。その後に出来た紫電なんかの方が良いね。空戦が始まるときに紫電なんかだと、空戦フラップといってGかけるとひとりでにフラップが出るようになっていたわけですから。51のと、その半分の2・71くらいの飛行機じゃ、なかなか一撃必殺とはできないですよね。

 --------坂井三郎さんの著書に、特攻で突っ込むときに最後に機体が浮いてしまって失敗した例も数多くあるのではないかとありますね。

 野口‥そうですね。300ノットくらい出たら、頭が上がろう上がろうとするからスパッと抜けるんです。それで、それだけスピードが出ていると引き上げようとするときにもすごく重たいんですよ。だから、翼の付け根のところにシワが寄って塗料が剥げるくらい飛んでもぶっ壊れない飛行機ですからね。そのかわり、2Gから3Gかかっちゃうんだよね。だから、よだれは垂れるわ、鼻は垂れるわね(笑)。今のジェット戦闘機に乗る人はGスーツを着るからそういうことはないと思うけれども、我々のときは腹にこんな厚いベルトをして、腹をぎゅうっと空戦バンドって言ってね、腹を一杯締めてやっていないと臓物が下がっちゃうぞと言われてましたけどね。飛行作業をやっていて、ゼロ戦のリブを2人で肩に担がされたこともありましたね。そのくらい上がってしまうんですよ。だけど、いい飛行機でした。ま、自分が乗った飛行機は大抵いいって言うんだけどね(笑)。

 ショルダーハーネスがあるのですけどね、これはかけてられないですね。ゆるゆるにしておかないと。後ろを七分、前を三分見なければいけないから。バックミラーは無いですからね、とにかく後ろを見ておかなけらばならない。最初に教わったのは、まず高度をとって、いきなり戦闘ばかりせずに、隊列から外れていくような敵機を撃ち落とすとかね。自機の弾が吸い込まれていくように行って、敵機がバッと火を噴くと気持ちいいですからね。あるいは機が反対になって落っこちていくところが見られます。そこでやめておかないと、上にいつ敵機がついているか分からないので。

  条件検索へ