特攻インタビュー(第3回) ・その2
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編集者
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海軍航空特攻 江名武彦 氏
◆学徒出陣
--------江名さんの軍歴は、大学生に対する徴兵猶予停止による学徒出陣から始まると思うのですが、徴兵猶予の解除・停止令は突然の出来事でしたか?
江名‥昭和18年10月21日に、明治神宮外苑競技場で文部省主催の出陣学徒壮行会が行われました。その時に出陣学徒を代表して東大文学部の江橋慎四さんが答辞を読みました。全文は覚えていませんけど「時なる哉、学徒出陣の勅命、公布される」「我等、もとより生還を期せず」。徴兵猶予停止で出陣した学徒は、やはり自分は生きて帰れるかどうか……そういう問題については真剣に悩んで軍隊に入りました。
私も生きて帰れるかどうか厳しい戦局で、学徒としての覚悟を持って入隊しました。「我等、もとより生還を期せず」というのは、学徒の強い覚悟を述べた言葉です。
--------当時、正確な情報は国民に伝わっていなかったと言われますが、戦局が良くないということは認識されていたのでしょうか?
江名‥そうですね。各戦場における負け戦の報道というものはありませんでしたが、実際は昭和17年6月のミッドウェイ作戦以降、連戦連敗なんです。
それまでに進出した南太平洋の島々が次から次へとアメリカに奪還されて、だんだんと日本本土に攻め上がってくるという状況の中で、戦局の厳しさというものを、やっぱり国民はみんな感じていたと思います。私も日本の危急存亡だと感じました。
学徒出陣はニュース映画で有名ですが、その後、入隊するまでのことはあまり知られていません。壮行会から入隊までのことを教えて頂けますでしょうか。
江名‥これは個人的な話になりますけど、私は両親の許しを得まして京都・奈良・伊勢とまわり、日本文化を肌で感じて自分の気持ちを整理いたしました。
--------最初に徴兵検査を受けて、陸軍か海軍かを選ぶのでしょうか?
江名‥昭和18年10月の……3日でしたでしょうか、学徒出陣の正式な公報が出ましたのは。それから10月下旬に、各本籍地で徴兵検査があり、学徒兵がだいたい10万名出陣しました。海軍がそのうち1万5000名くらいじゃないかと思います。陸軍が8万5000名くらい。それを各地徴兵検査で徴兵官が振り分けるわけですね。
私は岐阜県出身ですから、美濃太田で兵隊検査を受け、その時に陸軍か海軍かと聞かれたので、私は海軍志望と答えて志望通りになりました。他の地方の兵隊検査では、それぞれ志望を言っても必ずしも志望通りにはいかなかったようです。8・5人を陸軍、l・5人を海軍に振り分けるわけですから。私は中学生から必須の「教練」という科目にあった三八式歩兵銃を担ぐ陸軍式の訓練が苦手でして、それで海軍を志望しましたら志望どおり海軍に行けたということです。