特攻インタビュー(第3回) ・その7
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編集者
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海軍航空特攻 江名武彦 氏
◆余暇にアメリカ映画を観る(2)
--------九七艦攻の場合、3人搭乗されますが、特攻で出撃するのなら全員ではなく、2人か1人が乗って出撃してもいいのではないかと思うことがあるのですが、江名さんは、どうお考えですか?
江名‥昭和20年4月10日に、私たちの「正気隊」が編成されました。全部で6機18名ですけど、その中に同期生が6名いたんですよ。それに13期が1人、これは隊長ですけどね。同期生が6名もいたので心強かったし、私の場合はそれで救われましたね。その時、仲間同士の会話でね、後席に乗る電信員のことを話しました。彼らは17歳、18歳なんですよ。予科練の甲の13期、乙の18期ですね。いちばん若いんです。飛行時間は我々と同じ位です。本当に可愛らしい少年なんですよ。どうして海軍は、この子達を殺さなきやいけないのか。電信員を連れて行かなくてもいいじゃないかと語り合いました。
でも、艦攻の電信員の役割というのはとても重要なんです。九九艦爆でも後席の電信員が乗ってない機があるんですけど、九七艦攻は出撃の時、3人乗るんです。それはね、自分の機の最期を電信で基地に知らせるためなんです。自分の戦果は自分の機が打電するんです。もう、護衛戦闘機がつかないんですよ。それ程、日本軍は追い詰められてもう負け戦なんですね。だから、電信員が乗ってる飛行機だけは、自分の飛行機の、自分の戦果を送れるわけです。だけど、九九艦爆の特攻機になりますとね、大半が隊長機だけに電信員が乗って、列機の2機は操縦員だけで電信員が乗っていないんです。その方を評価する人もいるんですね。もう必要ないんじゃないかと。
ただね、電信員っていうのは、九九艦爆の場合、ナヴィゲーターも兼ねているんですね。だから、隊長機が落とされると目的地に行けなくなる。九九艦爆の場合、後席の搭乗員はナヴイゲーターと通信、両方やる訳ですよ。艦攻の場合は、真ん中の者がナヴイゲーター、後席が電信です。だから、自分の飛行機が敵機に襲撃されたら襲撃されたという電報を打ちますし、突入する時は、何の艦に突入すると電信を打ちます。実際に、そのとおりの戦果が上がったかどうかは別として、最期の電信が基地に入るわけですね。だから、3人乗せるということは、それだけの戦果を伝えることができるというメリットがあるわけですね。戦闘機には最初から電信員なんかいないでしょ。だから、その飛行機の戦果が判りませんし、九九艦爆の場合でも、隊長機が落とされちゃいますと、もう、隊長機以外は電信を打てないわけです。だから、可哀想と思いましたけど、やっぱり電信員が来るということは、それだけのメリットがあるということです。それに機銃も電信員が撃ちますからね。七・七mmの機銃で応戦しますから。
--------操縦員、偵察員、電信員の中でいちばん偉いというか、機長はどなたがなるのですか?
江名‥それはね、ペア編成の時に最先任の者が機長になるんです。ですから、私より先任の者が操縦すれば、操縦が指揮官になります。ただ、ナヴイゲーターは私ですからね。その場合でも私が色々指示する訳ですけども、機長というのは最先任の者がなります。
それで、面白いんですよ。我々、2000名いますでしょ、14期予備学生が。全員ナンバーが付いているんです。成績のナンバーですね。どうやって付けたか知りませんけどね。1番でも上の者は機長なんです。海兵でもその先任順がありますから、先任の者がやはり海軍省とか軍令部に行きまして、そうでない者が実戦部隊に行くという傾向がありました。成績の良い者が必ずしも優秀だったかどうかは、戦後、軍令部とか海軍省がいろいろ批判されていますけどね。海兵のハンモック・ナンバーが海軍を滅ぼしたと極論する者もいます。でも実際、成績の優秀なのが、みんな大本営に行っていますからね。海軍は、そういう先任を決めるルールがありました。