特攻インタビュー(第3回) ・その6
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編集者
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海軍航空特攻 江名武彦 氏
◆余暇にアメリカ映画を観る(1)
--------ちょっと話は変わるんですが、厳しい教育を受けていた頃でも休日とかがあったと思うのですが、何か楽しみというものはありましたか?
江名‥海軍では英国式のネービー教育を受けました。敵国と言いながら、海軍が持っている外国の映画、横須賀にあったものを担当の者が持って来て、それを大井空で上映するということで、敵国アメリカの映画を我々は余暇に鑑賞して楽しみました。
--------どんな映画だったか覚えています?タイトルとか。
江名‥タイトルはですね「コンドル」とかですね、あと何でしたかな……「歴史は夜作られる」はやりましたかね
・・・ちょっとその辺の記憶が定かでありませんが。「風と共に去りぬ」を見せろってだいぶ言いました(笑)。それは実現されませんでしたけどね。フィルムが横須賀にあったことは間違いなかったようですよ。確か、昭和14年位のアメリカ映画ですね。
--------かたや「鬼畜米英」と言いながら、アメリカ映画を観て楽しむというのは、ちょっと不思議な感じがします。
江名‥いや、我々は「鬼畜米英」というような憎しみの感覚はあまり持っていませんでした。どちらかというと、その頃の学生の多くは西洋文化に憧れて勉強しておりましたでしょ。ですから、そういう文化面ではアメリカとかヨーロッパに対してね、非常に親近感を持っていました。まあ一般の市民は、ニミッツ、マッカーサーの写真を踏みつけたということがあったようですけど、そういう憎しみは、我々は持っていませんでした。日本人として、戦争の相手国であるアメリカには勝たなくてはならないという認識でした。クレイジーな憎しみは持っておりませんでした。