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被爆55年 忘れられないあの日 8 ―広島・長崎被爆者の詞画集―

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編集者

通常 被爆55年 忘れられないあの日 8 ―広島・長崎被爆者の詞画集―

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2010/10/25 7:52
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298
「黒い両」に打たれた卒業証書

       八月六日 広島
              二十三歳 軍属

 原爆投下の後

 一時間ぐらいで

 黒い雨が降ってきた。

 屋根も窓もなくなり

 爆風で飛んだ家具に

 「黒い雨」が降りそそいだ。

 数日たって

 破れかけた卒業証書を見つけた。
               
 白い紙に黒い雨の跡(あと)が

 五十余年たった今も

 そのままの姿で残っている。










荷車の上の産婦

     八月六日 広島
         二十八歳 軍人
             
 私が中隊の兵隊を探(さが)すため比治山(ひじやま)の防空壕の付近まで来たとき、そこには荷車の上に荒延(あらむしろ)を敷(し)いて産婦がヘソの緒(お)が付いたままの姿で苦しんでいました。


 老婆(ろうば)は車輪をつかんで下を向いたままです。

 あまりにも無残(むざん)な姿に、どうしてもそこを離れることが出来ませんでした。

 五十五年が過ぎた今でも、涙がとめどなく流れ、昨日のように思い出します。
                        
 「幸せは平和のうちにあり、戦争は幸せの破壊(はかい)者(しゃ)です。」

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