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被爆55年 忘れられないあの日 17 ―広島・長崎被爆者の詞画集―

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編集者

通常 被爆55年 忘れられないあの日 17 ―広島・長崎被爆者の詞画集―

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2010/11/5 8:07
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298
友の亡骸(なきがら)を茶毘(だび)に

     八月九日 長崎
         十五歳 動員学徒
       
 火の手が収(おさ)まるのをまって、寮友を探しにでかけた。

 爆心地近くになると、黒焦(こ)げの死体が散乱(さんらん)し、真っ赤に腫(は)れ上がった顔で這いつくばり、呻(うめ)きながら水を求める人、それは正に地獄絵(じごくえ)であった。

 寮のあった場所についてみると、建物は全焼。
                          
 朝、手を振って別れた四百余人の友は、無残(むざん)にも黒焦げになって息絶えていた。

 泣きながら友の遺体を次々と焼いた。

    朝(あした)に紅顔(こうがん)ありて 暮(ゆうべ)に白骨(はっこつ)となる
        原爆に焼かれし友の 亡骸(なきがら)を茶毘(だび)に付す










トンネル工場の中

     八月九日 長崎
         十七歳 女

 何処(どこ)をどう駆(か)け廻ったか、私はトンネル工場の中に入っていました。
       
 逃げる途中、潰(つぶ)れた家の下から「助けて!助けて!」の叫(さけ)び声が、あちこちから聞こえてきましたが、逃げるのが精一杯で、振り返る余裕(よゆう)もありませんでした。

 トンネルの中は真っ暗で、ただ恐ろしさと心細さで震(ふる)えているばかりでした。

 その時、後頭部にガラスの破片(はへん)が突き刺さり頭から血が流れているのに気が付きました。

 大きな釘(くぎ)を踏み付けたのか、足の下から上に突き出ているのに始めて気が付き、自分で抜き取りました。


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