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被爆55年 忘れられないあの日 12 ―広島・長崎被爆者の詞画集―

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通常 被爆55年 忘れられないあの日 12 ―広島・長崎被爆者の詞画集―

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2010/10/29 7:40
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298
ぐるぐる巻きで担架(たんか)に

     八月十一日 長崎
          六歳 幼女
             
 八月十一日の午前、道(みち)の尾(お)駅に、包帯(ほうたい)でぐるぐる巻きにされた人が、担架(たんか)に寝かされていました。

 ただ「水!水!」という呻(うめ)き声を出してうごめいていました。

 汽車が先へ行かないので降ろされて、一瞬見ただけでしたが、その光景は未だに瞼(まぶた)に焼き付いて忘れることが出来ません。

 恐ろしくて、恐ろしくて、一刻も早くその場から離れたくて、見ていることが出来ませんでした。









             
マンホールに避難(ひなん)した

     八月六日 広島
          十九歳 軍人

 「ピカドン」で傷を負った母親は、すさまじい爆風におののき、次に来る災(わざわ)いから身を守ろうとして、爆風で蓋(ふた)を飛ばされていたマンホールの中へ、幼児を抱きしめて必死で逃げ込んだ。

 (マンホールは、焼け野原となった街で唯一(ゆいいつ)の避難場(ひなんば)であった)
     

   爆風に蓋(ふた)をとばされしマンホール
        血みどろの母子をうちに守れり

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