@





       
ENGLISH
In preparation
運営団体
メロウ伝承館プロジェクトとは?
記録のメニュー
検索
その他のメニュー
ログイン

ユーザー名:


パスワード:





パスワード紛失

我が軍隊的自叙伝 緒方 惟隆 22

投稿ツリー


このトピックの投稿一覧へ

編集者

通常 我が軍隊的自叙伝 緒方 惟隆 22

msg#
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/5/1 8:08
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 中隊長の章 4

 一、先づ幹部候補生に合格したこと。
   若し合格していなければ、「安」師団の捜索第五十三聯隊に所属し、ビルマに派遣されて戦死しているかも知れない。

 一、 甲種幹部候補生五名中五番であったこと。

 一、幹部候補生集合教育のため習志野の騎兵学校に派遣されたこと。
   そのため捜索第五十三聯隊から補充隊に転属した。

 一、騎兵学校から帰隊するときの序列が一番であったこと。
   若し二番だったら、川口君と交代で航空通信に転属して戦死していたであろう。

 一、陸軍船舶練習部での成績がビリかビリに近か、たこと。
   若し成績が良かったら、とっくの昔にSB艇に乗船して戦死していたであろう。事実SB艇は殆ど沈められた。

 一、三月十三日の大阪大空襲に、その日だけ大阪を離れていたこと。
   若し当日大阪にいたら果たして無事であったかどうか。

 一、 新部隊編成の為の釜山往復の航海が無事であったこと。

 一、 広島の「新型爆弾」を逃れたこと。

 一、 ソ聯が不可侵条約を破棄し、参戦して北朝鮮に侵入して来たが、一瞬早く内地に移動したこと。

 一、 昨日の長崎本線久保田駅での機銃掃射に無事であったこと。

 一、 今日の三角での機銃掃射も危うく逃れられたこと。


 あれやこれやを考えたとき、私には幸運が付いている。恐らく今後もこの戦争で命を落とすことはあるまい。「いや、俺は絶対に死なんゾ」と妙な自信を待った。
 その通り翌日には終戦となるのだが、前日の晩に死なないことを予見してその翌日だから拍子抜けしてしまった。

  条件検索へ