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特攻インタビュー(第5回)・その4

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通常 特攻インタビュー(第5回)・その4

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2012/4/12 7:57
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 陸軍水上特攻 皆本義博氏

 ◆四式肉迫攻撃艇(秘匿名称・連絡艇 マルレ)(1)

 --------その試作艇、「マルレ」を最初に見た時の印象はどうでした?

 皆本‥まあ何ですね。手漕ぎの舟じゃなくて自動車エンジンを積んでいました。動力は自動車エンジンでした。昭和19年7月11日、千葉県岩井付近の海上で海軍の水上特攻……これは「マルヨン」……丸の中に数字の四と書きます。「マル四艇」。実際の名称は「震洋」です。その震洋艇と陸軍の試作艇の比較試験をやりましたが、何と言っても、やはり船に関しては陸軍の技術本部より海軍さんの方が専門ですから。で、比較検討しましたが、当時の資料を見ますと、ほとんど必要な要件を陸軍の試作艇も完全に充足しておる。言い換えますと「これでよろしい」ということで決定しました。それで「甲一号艇」としました。ただ、そういった兵器は公にしたらまずいものですから、秘匿の名称で「マルレ」とカタカナでつけました。「マルレ」といいますのは、連絡艇(れんらくてい)の頭文字をとって「マルレ」というふうに決めました。

 それから、どういう攻撃態勢をとるか、あるいはどういう編成をやるかという検討は我々18名が中心で、船舶司令部の指導を受けながらやりました。舟艇は重量1・5t、全長5・6mくらいの艇ですが、問題は搭載する兵器をどうするかということでした。船舶司令部と第一技術研究所でやりまして、我々、実働部隊も18名が参加して、試作艇に爆雷を積んで実際に爆雷投下もしました。陸軍が使っていた高崎丸という古い船がありまして、実戦的な攻撃方法を試しました。それで、100kgの爆雷では駄目だと。特に、相手が商船や貨物船じゃなくて駆逐艦とか巡洋艦とかになりますと、かなり装甲が厚いものですから。いろいろやった結果、250kg以上あればOKということで私らも実際に試して、それに決まりました。

 あとは、どうやって攻撃するかですが、海軍さんの方は舟艇の先の方に爆薬を積んでいるので、艇首が当たれば水柱を上げて爆発します。陸軍の方は艇尾に爆雷を懸架する方式だったので、艇首からそのまま突っ込んでぶつかっても、艇尾にある爆雷と敵艦の距離が5m以上離れて、爆雷を落としても効果が低いんです。じゃあ一番良い方法は、ということで、まず、敵艦に対して前進して、ぶつかりそうになる直前に左ハンドルか右ハンドルをきって艇尾を敵艦に向け、ぶつける時に爆雷を落とす。手で引いて落下させるか、手で引けない場合は自動的に落ちて、それが落ちますと至近距離で爆発します。水圧も測って、これなら駆逐艦ぐらいはいけると、こういう結論を出してやっとりました。

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