特攻インタビュー(第5回)・その23
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編集者
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陸軍水上特攻 皆本義博氏
◆武士道精神を重んじた二ミッツ元帥(1)
--------右の胸に着けていらっしゃるバッジは何ですか?
皆本‥これはですね、ニミッツ元帥の基金バッジです。さっき言いましたように、あの人は沖縄にはいなかったんですね。太平洋方面、全軍の指揮官だった。それで、どういうものか、私等の島に医薬品や衛生材料を置いていってくれたからたいへん救われましてね。ニミッツは海軍の士官候補生の時に遠洋航海で日本に来た。で、宮中にお呼ばれしてお茶会に出ました。その時に来たのが東郷平八郎元帥でした。それでニミッツ少尉候補生は東郷元帥に直接声をかけて。それでニミッツは東郷元帥の武士道精神に傾倒しまして、東郷元帥の国葬の時には「オーガスタ」という戦艦の艦長でした。東郷さんが舞鶴の鎮守府司令長官時代におられた官舎をモデルにした建物をこミッツ記念館に造りました。庭にある「一心池」、これも舞鶴と同じ形で、そして泳いでる魚はみんな緋鯉ですよ。日本の鯉です。その横に植えてあるのは孟宗竹。アメリカにない。日本海軍の先輩方とアメリカの人が尽力して完成したものです。
私がミニッツさんに感動したのは、お父さんが早く亡くなられて、おじいちゃんに厳しく鍛えられています。どうかすると引っ叩かれたと。で、日本の武士道精神で俺はやるということで育ってきたと。だから日本の武士道をよく知っておられます。それで最後は母校の海軍兵学校で、卒業する学生のパレードの観閲官を頼まれましたが、「そういうのには出たくない」と辞退しました。他の同期生のご夫妻なんかと一緒にレセプションに出ておられますが。それで、墓地はアーリントン墓地に用意しますと言ったら「ノー」と言って、一般の兵隊さんが納まっている墓地に入っていかれました。素晴らしいと思いますね。日本では、何か売名的にやったり、地位を尊重してくれというようなことが先に出ますから。
私はいつも思うんですがね。日本が日露戦争に勝った時には日英同盟があった。その頃のイギリスには武士道精神があった。やっぱり、日本が生きていくためには武士道精神のある人と手を繋がにゃいかん。だから、マッカーサー元帥、あの人は私のいた工兵出身の先輩になるけれど、私はマッカーサー元帥より、ニミッツ提督の方が武士道精神のある人だと思います。こういう人と早く手を繋いでおけば、日本はあんな窮地に陥らなくてすんだんじゃないかと。やはり武士道精神こそ、私は一番大事なことだという感じがしております。