電気通信大学藤沢分校物語 (3) 3
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編集者
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○25番(中田吉堯君)
この問題に付いては先般市会の全員、協議会の際に石川事務官から詳細に内容を伺いまして、大体内容は承知して居る訳でありますが、愈々本案が市会に提案されましたについては、二、三お訊ねして内容を伺っておかなければならぬと思います。
第一は260万円の起債額でありますが、石川事務官のご説明では無線講習所の予算総額が260万円で、目黒の講習所が逓信省に移管になり、既設の設備、建物、土地そう言ったようなものが相当あることと思いますが、その方は如何になるのでありますか、それも260万円の中に含むのでありますか、土地、建物の外に機械設備も含むものでありますかどうか、又起債に付いて、こう云うような時局であり、地方自治体と致しまして、緊急欠くべからざるものを起債致しましてもなかなか許可にならないと云うことを聴いて居ります。併しこれは政府の仕事でありますから勿論間違いはないと思いますが、直接の認可権を握っているのは大蔵省らしいのでありますが、之は直ちにでなくても、相当短い期間内に於いて認可になるお見込みでありましょうや否や、それから市の起債の建前として昭和18年度から向う25ヶ年賦で支払すると云うことになって居りますが、これは起債の場合の表面的な建前であって形式的なもので、逓信省の都合のいい時に買収される、斯様に考えて居るのでありますが、25ヶ年もずっとこの儘継続されると云うことになりますと財政上の点から言いましても多少考慮する点があるのではないかと考えられるのであります。
市の財政としては260万円と云う金は相当大きな額でありますが、国の財政から言うと国家が必要なる急を要する事業として認めて居るものであれば260万円ばかりの金を予算に計上するにしても、亦、計上された予算の中から支出するにしても、そう大きな金額ではないと思われますので、近き将来に於いて買収が出来るのではないか、少なくとも2、3年の後には買収されるのではないか、斯様に考えられるのでありますが、この点は如何でありましょうか。
それから、若し昭和17年度に借入手続きを終了するとして致しましても、例えば非常に急速にそれが運んで5、6月ごろに金は借入れが出来るようになっても、即ち土地等は借り入れが出来れば直ちに買収が出来ましょうが、建物はなかなか直ぐには出来ない、少なくとも1ヶ年以上はかかると思いますが、其の間の賃貸料は如何になるのでありましょうや。建物がすっかり出来上がってしまわなければお支払いにならないものでありましょうか。其の点も一寸伺っておきたいと思います。
それから借入し、利子と賃貸料の差額、市の財政上相当考慮して下さると云うお話でありましたが、数字的なご説明を伺いたいと思います。(この項次号に続く)
注) 本稿で引用した資料は最終稿にまとめて記載します。
注32)官立無線講習所起債関係書類
注33)藤澤市會々議録(昭和17年3月26日)