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電気通信大学藤沢分校物語 (4)

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通常 電気通信大学藤沢分校物語 (4)

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 .2 .3 | 投稿日時 2015/2/13 14:05
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 前号では、藤沢市会に上程された「官立無線電信講習所新設費起債に関する件」について、逓信省側の説明がされ、質疑が行われた事を述べた。今号も、引き続き市会での質疑応答を紹介する。

 4.2逓信省説明と質疑応答(続き)(注41)

 ○番外(逓信事務官石川武三郎君)

 逓信省の石川でございます。私からご説明申上げます。

 ご質問の第一は260万円の起債額の中に土地、建物、機械設備を全部含むものであるかどうかと云うお訊ねのように拝聴いたしました。この点に付いては先程無線課長から説明申し上げましたように約2千人の生徒を収容するのでありますから、それに対する土地、建物だけで、約260万円はかかると云う見込みをつけて居るのであります。

 それ以外に相当設備費がかかる訳でありますが、これに付いては現有の逓信協会(注42:電信協会の誤り)の目黒講習所の設備を移管する他、各省に於いても関連の予算額の中から、相当額の支出をして頂ける見込みであります。現在、目黒の講習所の土地建物其の他の設備を売却すると時価約100万円位になります。そこで其の売却金をこちらに貰うよう大蔵省と交渉中でありますが、若しそれが出来れば260万円の中からその分だけ引ける訳で、従って藤沢市にご厄介になるとすれば、160万円で済む訳であります。併しこれは目下交渉中でありますので、はっきりしたお約束はできないので、一応260万円全部を藤沢市でやって頂く事にして、賃借料としては起債額の7分6厘の予定で、予算を計上致して居ります。

 次に、起債に当たって時局柄認可が困難のように思われるが、逓信省側として大蔵省の方に認可になるよう積極的に斡旋して欲しいと云うようなお訊ねに承りましたが、これに付いては、勿論言われる迄もなく逓信省側としては尽力するつもりで居ります。この事に付いては先程も無線課長から申上げましたように大ツ省でも其の緊急なる必要性は十分認めて居るので、そうご心配になる程の事ではないかと思います。尤も起債を認可する方と、予算を承認する方との部局は違うかも知れませんが、多少の曲折はあるかも知れませんが、国として其の趣旨を認めている以上、多少の日時を要することがあるかも知れませんが、これは最後に於いては纏まるものと信じて居ります。

 次に償還年限の25年と云うのは長きに過ぎはしないか、成るべく早い機会に於いて買収して貰いたいと云うご希望のように承りましたが、これに付いても、国の財政が許すならば、出来るだけ早く国有のものとしなければならぬと云うふうに考えて居ります。私共としてもこれは言われなくても、出来るだけ早く実現するように尽力するつもりで居ります。

 次に初年度に於いて建物が出来上がらない中に賃借料を払って貰えるかどうかと云うお訊ねのように承りましたが、之は其の場合の契約に依って決まる問題でありますが、前にも申しましたように、市の財政に悪い影響を及ぼさないようにと云う事は十分考慮して居りますので、或る程度の金利は勿論支払わなければならぬと云うふうに考えて居ります。以上の通りであります。

 ○25番(中田吉堯君)

 詳細なるご説明がありまして大体の事は承知致しましたが、尚重ねて一寸伺って置きたいと思います。起債認可の点に付いては、予算を取る方と認可の方は部局が違うから多少の曲折はあるかも知れないと云う事でありましたが、これは勿論の事でありますが、確実に認可になるように大蔵に対して十分に交渉をなさって居られるのでありますか。或いは多分認可になるであろうと云う見込みなのですか、それとももっと突っ込んだ交渉をなさって、既に諒解済みなのでありますか。

 次に買収期限の問題でありますが、成るべく早い機会に、云う事でありましたが、凡そどの位の期間と云うご予定でありますか、確実な事が分かって居れば序に伺いたいと思います。

 ○番外(逓信事務官石川武三郎君)

 大蔵省の起債認可の件に付いては、実はご当市の方と具体的な事が決りましてから、其の方に出向いて交渉しようと云うように考えて居りました。未だ連絡はして居りません。併しこれは確実に認可になるだろうと云う信念を持って仕事を運んで居ります。

 次に買収の時期でありますが、只今の所では、こうした時局でありますから何時になったならば、それが実現するか、はっきりした時期は私共にも分かりません。今後何年間の中に確実に買収できると云う見透しは、只今の所実は出来かねます。出来るだけ早い機会に、国有に移すよう十分努力するつもりでありますから、この程度にご諒承願いたいと思います。

 ○25番(中田吉堯君)

 大変失礼な事を伺いましたにも関わらず、お咎めも無くご親切なご答弁を頂きまして、当局の意のある所は十分に諒解しました。本件は時局下、重大なる国家的事業であり、而も緊急を要する事業でありますので、市と致しましても喜んでお仕事に協力致そう、云う事で、本日本案を提出された事と思います。本市としては国家の重大事業と云う事を抜きに致しましても、私共の、住んで居ります市の発展のために貢献する所、又大なるものでありと信じて居ります。従って本案に対しては喜んで賛成を致すものであります。併し何分にも斯様な時節でありますので、実際に仕事をする上に於いて市財政上の点に付いても色々と考慮すべき点があると思いますので、本件執行に当たっては、9名乃至10名の委員を挙げて本事業の完成を期すると同時に一方財政的にも考慮して行きたいと思います。

 委員会を設けて仕事を進めて行くように希望意見を述べまして本案に賛成するものであります。

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