電気通信大学藤沢分校物語(10)7
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電気通信大学藤沢分校物語 (編集者, 2015/2/13 12:19)
- 電気通信大学藤沢分校物語 (1) 2 (編集者, 2015/2/13 12:44)
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電気通信大学藤沢分校物語 (4) (編集者, 2015/2/13 14:05)
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電気通信大学藤沢分校物語 (6) (編集者, 2015/2/13 14:40)
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電気通信大学藤沢分校物語 (7) (編集者, 2015/2/13 15:07)
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電気通信大学藤沢分校物語 (8) (編集者, 2015/2/13 20:01)
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電気通信大学藤沢分校物語(9) (編集者, 2015/7/24 16:31)
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電気通信大学藤沢分校物語(10)1 (編集者, 2015/12/18 6:40)
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編集者
居住地: メロウ倶楽部
投稿数: 4298
敷地の確保
藤沢市は敷地確保のため①県有地の払下げ、②私有地買収の折衝を進めた。さらに、1943年(昭和18)3月、円滑に土地買収を進めようと「市参事会に買収を委任する」として金子市長は市会に議案上程、買収を加速した。(注1105)
(1)県有地の払下げ
藤沢市は、1942年(昭和17)10月に県知事宛に協議方の申込みをした。(注1106)
藤土発第1485号 昭和17年10年13日
藤沢市長
神奈川県知事宛
県有地払下方協議ノ件
今般本市ニ於イテ別添写ノ通り逓信省ノ依頼二依り官立無線電信講習所ヲ建設スルコトト相成候。就テハ敷地トシテ、左記県有地ノ払下ヲ受ケタク此段及御協議候也
記
一、払下ヲ受クベキ県有地ノ所在並地積
藤沢市鵠沼上鰯5,218番ノ66号地ノ内
砂防敷地約弐千参百六拾四坪 別紙図面イ号
藤沢市鶴沼上鰯5,218番ノ66号地ノ内
砂防敷地約参千五拾弐坪 別紙図面口号
藤沢市辻堂浜見山7,238番ノ2号地ノ内
官有砂地約千参百四拾七坪 別紙図面ハ号
藤沢市辻堂浜見山7,238番ノ2号地ノ内
官有砂地約四千百弐拾八坪 別紙図面二号
合計・約10,891坪(*印、筆者加筆)
一、払下代金
壱坪当り金八円以内
一、払下ヲ必要トスル理由
今般、本市二於テ逓信省ヨリノ依頼二依り同省所管官立無線電信講習所ヲ建設スルコトト相成之ガ敷地約四万坪ノ広大ナル土地ヲ必要トスルヲ以テ其ノ地域内二在ル県有地ヲ該講習所敷地トシテ払下ヲ受ケントスルモノナルニ因ル
神奈川県は土地払下を承認するとともに一方湘南遊歩道の将来計画に対する留意点を藤沢市に伝えた。
18庶第242号 昭和18年4月1日
神奈川県官房長
藤沢市長殿
縣有土地売却二間スル件
今般貴市二對シ藤沢市鵠沼字上鰯5,218番ノ66ノ内及辻堂字浜見山7,238番ノ2の内県有土地一高一千四百三十九坪ヲ売却相成候処右ハ其ノ施設ノ性質二鑑ミ特二売却相成タルモノニ有之候條将来風致、砂防上支障ヲ来サザル様格段ノ御留意相成度依命及通牒候
(注1107)
県有地の確保は最終的に11,439坪で、藤沢市の希望する通り土地が払下げられた。
(2)私有地の確保
私有地の買収にあたり、昭和17年7月、藤沢市は「官立無線電信講習所敷地買収に関わる協議会」(以下買収協議会という)を設け、県有地と並行して買収を進めていた。
① 第1回買収協議会‥昭和17年7月24日
(注1108)
開催場所‥市役所
出席者‥合計28名、市側市長以下3名、議員9名、地元委員及び土地関係者16名。
市側の説明
*買収対象は14名、19,797.28坪である。
*個人的に種々なる事情があっても買収の変更は困難、先祖伝来の土地に対し同情する。
*食糧増産に逆行するが止むを得ない。
*国家のことだから嫌やはない。市役所の立場で努力する。承諾してもらいたい。
*私有地に関する資料は省略します。
まとめ
*替地、価格など出来得る限り考慮するが、要求通りにはいかない。
*委員会制度で今後は進めたい
② 第2回買収協議会‥昭和17年8月14日
(注1109)
開催場所‥市役所
出席者‥市側市長以下3名、議員9名、地元委員及び土地関係者9名計21名
市側の説明
*逓信省でも位置の選定をした関係上(位置の変更は)お諦め下さるようにして貰いたい。
*替地関係に原因するようであるが之は別途にして価格の点に付き協議したい。
参加者意見
*最近の実例に釣り合った価格に願いたい、此の点は特に市当局に御尽力をお願いしたい。
まとめ
*価格は議員を合同して評価する。
*大部分の意見は替地にあるようだから予定地を選定した上に於いて行う。
*机上でなく実地について評価したい。
③ 第3回買収協議会‥昭和17年8月19日
(注1110)
開催場所‥日の出橋と太平橋の中間
出席者‥合計40名、市側市長以下3名、議員9名、地元委員及び土地関係者9名。
現地評価後、その後の折衝を経て、土地買収が完了した。
(3)敷地
敷地買収は約参萬壱千坪にのぼった。
県有地 11,439.23
私有地 19,797.28
合 計 31,236.51坪
(4)敷地図
敷地確保のために計画された官立無線電信講習所敷地図(昭和17年)と13年を経過した藤沢市都市計画基本図(昭和30年)を示す。
尚、同基本図の黒枠は、比較し易いやすいように筆者が推測して追記したものである。
詳細は次号以降で述べるが、1955年(昭30)の藤沢市都市計画基本図であるが、1956年(昭聖には旧電気通信大学藤沢分校の木造校舎を改修し、校地7,270坪で藤沢市立湘洋中学校の開校が決定、職員11人をもって開校するのである。(注1113)
また1960年(昭至11月、全学調布移転統合に伴い、旧学生寮及び食堂(藤沢市鵠沼上鰯5,200)延1,6502㎡が用途廃止され大蔵省に引き継がれた。(注1114)
(以下次号)
注1101‥図説ふじさわの歴史(1991)
注1102‥目黒無線会同窓食詰第8号
注1103‥ふるさとの思い出写真集 明治・大正・昭和 藤沢(S54)
注1104‥ふるさと藤沢(2010)
注1105‥昭和18年議案第三十号 市参事会委任事項の件
注1106‥昭和17年官立無線電信講習所関係 書類綴りの内「県有地払下方協議ノ件」
注1107‥十八庶第二四二号「県有土地売却に関する件」
注1108‥官立無線講習所敷地買収に関する協議会録(昭和17年7月24日)
注1109‥同右(昭和17年8月14日)
注1110‥同右(昭和17年8月19日)
注1111‥昭和17年官立無線電信講習所関係 書類綴りの内「官立無線電信講習所敷地図」
注1112‥藤沢市役所都市計画基本図縮小図
注1113‥ウイキペディア「藤沢市立湘洋中学校」
注1114‥電気通信大学六十年史
藤沢市は敷地確保のため①県有地の払下げ、②私有地買収の折衝を進めた。さらに、1943年(昭和18)3月、円滑に土地買収を進めようと「市参事会に買収を委任する」として金子市長は市会に議案上程、買収を加速した。(注1105)
(1)県有地の払下げ
藤沢市は、1942年(昭和17)10月に県知事宛に協議方の申込みをした。(注1106)
藤土発第1485号 昭和17年10年13日
藤沢市長
神奈川県知事宛
県有地払下方協議ノ件
今般本市ニ於イテ別添写ノ通り逓信省ノ依頼二依り官立無線電信講習所ヲ建設スルコトト相成候。就テハ敷地トシテ、左記県有地ノ払下ヲ受ケタク此段及御協議候也
記
一、払下ヲ受クベキ県有地ノ所在並地積
藤沢市鵠沼上鰯5,218番ノ66号地ノ内
砂防敷地約弐千参百六拾四坪 別紙図面イ号
藤沢市鶴沼上鰯5,218番ノ66号地ノ内
砂防敷地約参千五拾弐坪 別紙図面口号
藤沢市辻堂浜見山7,238番ノ2号地ノ内
官有砂地約千参百四拾七坪 別紙図面ハ号
藤沢市辻堂浜見山7,238番ノ2号地ノ内
官有砂地約四千百弐拾八坪 別紙図面二号
合計・約10,891坪(*印、筆者加筆)
一、払下代金
壱坪当り金八円以内
一、払下ヲ必要トスル理由
今般、本市二於テ逓信省ヨリノ依頼二依り同省所管官立無線電信講習所ヲ建設スルコトト相成之ガ敷地約四万坪ノ広大ナル土地ヲ必要トスルヲ以テ其ノ地域内二在ル県有地ヲ該講習所敷地トシテ払下ヲ受ケントスルモノナルニ因ル
神奈川県は土地払下を承認するとともに一方湘南遊歩道の将来計画に対する留意点を藤沢市に伝えた。
18庶第242号 昭和18年4月1日
神奈川県官房長
藤沢市長殿
縣有土地売却二間スル件
今般貴市二對シ藤沢市鵠沼字上鰯5,218番ノ66ノ内及辻堂字浜見山7,238番ノ2の内県有土地一高一千四百三十九坪ヲ売却相成候処右ハ其ノ施設ノ性質二鑑ミ特二売却相成タルモノニ有之候條将来風致、砂防上支障ヲ来サザル様格段ノ御留意相成度依命及通牒候
(注1107)
県有地の確保は最終的に11,439坪で、藤沢市の希望する通り土地が払下げられた。
(2)私有地の確保
私有地の買収にあたり、昭和17年7月、藤沢市は「官立無線電信講習所敷地買収に関わる協議会」(以下買収協議会という)を設け、県有地と並行して買収を進めていた。
① 第1回買収協議会‥昭和17年7月24日
(注1108)
開催場所‥市役所
出席者‥合計28名、市側市長以下3名、議員9名、地元委員及び土地関係者16名。
市側の説明
*買収対象は14名、19,797.28坪である。
*個人的に種々なる事情があっても買収の変更は困難、先祖伝来の土地に対し同情する。
*食糧増産に逆行するが止むを得ない。
*国家のことだから嫌やはない。市役所の立場で努力する。承諾してもらいたい。
*私有地に関する資料は省略します。
まとめ
*替地、価格など出来得る限り考慮するが、要求通りにはいかない。
*委員会制度で今後は進めたい
② 第2回買収協議会‥昭和17年8月14日
(注1109)
開催場所‥市役所
出席者‥市側市長以下3名、議員9名、地元委員及び土地関係者9名計21名
市側の説明
*逓信省でも位置の選定をした関係上(位置の変更は)お諦め下さるようにして貰いたい。
*替地関係に原因するようであるが之は別途にして価格の点に付き協議したい。
参加者意見
*最近の実例に釣り合った価格に願いたい、此の点は特に市当局に御尽力をお願いしたい。
まとめ
*価格は議員を合同して評価する。
*大部分の意見は替地にあるようだから予定地を選定した上に於いて行う。
*机上でなく実地について評価したい。
③ 第3回買収協議会‥昭和17年8月19日
(注1110)
開催場所‥日の出橋と太平橋の中間
出席者‥合計40名、市側市長以下3名、議員9名、地元委員及び土地関係者9名。
現地評価後、その後の折衝を経て、土地買収が完了した。
(3)敷地
敷地買収は約参萬壱千坪にのぼった。
県有地 11,439.23
私有地 19,797.28
合 計 31,236.51坪
(4)敷地図
敷地確保のために計画された官立無線電信講習所敷地図(昭和17年)と13年を経過した藤沢市都市計画基本図(昭和30年)を示す。
尚、同基本図の黒枠は、比較し易いやすいように筆者が推測して追記したものである。
詳細は次号以降で述べるが、1955年(昭30)の藤沢市都市計画基本図であるが、1956年(昭聖には旧電気通信大学藤沢分校の木造校舎を改修し、校地7,270坪で藤沢市立湘洋中学校の開校が決定、職員11人をもって開校するのである。(注1113)
また1960年(昭至11月、全学調布移転統合に伴い、旧学生寮及び食堂(藤沢市鵠沼上鰯5,200)延1,6502㎡が用途廃止され大蔵省に引き継がれた。(注1114)
(以下次号)
注1101‥図説ふじさわの歴史(1991)
注1102‥目黒無線会同窓食詰第8号
注1103‥ふるさとの思い出写真集 明治・大正・昭和 藤沢(S54)
注1104‥ふるさと藤沢(2010)
注1105‥昭和18年議案第三十号 市参事会委任事項の件
注1106‥昭和17年官立無線電信講習所関係 書類綴りの内「県有地払下方協議ノ件」
注1107‥十八庶第二四二号「県有土地売却に関する件」
注1108‥官立無線講習所敷地買収に関する協議会録(昭和17年7月24日)
注1109‥同右(昭和17年8月14日)
注1110‥同右(昭和17年8月19日)
注1111‥昭和17年官立無線電信講習所関係 書類綴りの内「官立無線電信講習所敷地図」
注1112‥藤沢市役所都市計画基本図縮小図
注1113‥ウイキペディア「藤沢市立湘洋中学校」
注1114‥電気通信大学六十年史