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特攻インタビュー(第2回) その9

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通常 特攻インタビュー(第2回) その9

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2012/1/6 7:51
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 陸軍航空特攻 中村 眞 氏

 ◆満州でいよいよ実施部隊へ(2)

 --------昭和18年くらいには、航法士が乗っていたということでしょうか?

 中村‥はい、その人たちは常に航法盤っていうんですか、書類を抱えて航法専門にやっていました。北海道からフィリピンに出かけるときに、28機くらいの編隊で北海道から立川か宇都宮へ飛んだのですが、操縦していて右の方に海が見えると。どう考えても帯広から飛んで立川までの間に、右側に海が見えるわけがない。左側なら分かるのですが…。そしたら編隊長機の航法士が進路の測定を間違って少し右に飛びすぎて、日本海が右の方に見えてしまった(笑)。辻っていう男でしたけど、だいぶ文句を言われてました(笑)。

 --------昭和18年くらいになると南方では空の戦いも熾烈になり、陸軍の航空隊はだんだんとニューギニア方面へも派遣されていますが、厳しい戦況について当時は耳に入って来なかったのでしょうか?

 中村‥ええ、入ってこないですね。北方警備ということで満州で訓練し、19年の2月に出戦命令が下りました。茨城の鉾田陸軍飛行場に進駐して、何をやるのかなと思ったら東京防空隊というのに編入されて、太平洋上を800km飛んで200加飛んで800km帰ってくるというような、洋上の潜水艦あるいは艦船の哨戒飛行をやりましたね。

 --------大体は一回飛び立つと何時間くらい飛ぶのでしょうか?たとえば哨戒飛行の場合だと、何時間くらい飛行されるのでしょうか?

 中村‥時間はあまり意識しなかったです。800km地点に来たら、角度を変えて200km飛ぶと。そして200km飛んだら、この反方位で基地に向かって戻るということでしたから、時速240kmくらいで飛んだんじゃないかと思うんです。そうすれば約8時間です。高度もあんまり高くちゃ船が判らず潜水艦も見えないだろうと1000mくらいでしたか。
 ある時北海道の沖を飛んでいたんです。「あ!敵の潜水艦だ!」ということになって…それで高度を300mくらいまで下げてみたら、鯨が3頭、潮を吹きながら…潮をプワ~ツプワ~ツと、それが機関銃を撃ちあげているように見えるんですよ。爆撃手の小木曽准尉というのが「じゃあ、これは1回爆撃してみよう」っていうことで鯨を爆撃しました。アルミ弾っていう目標弾を手前に1発落として、直線でその先にまたアルミ弾を1発落とすと。海面で輪がバーツと広がるんですよ。それでまた戻ってきて、その二つのアルミ弾を結んだ線をずっと進んでいって、その間に爆撃手が照準を決め、大体いつも50kgの爆弾を11発積んでいましたので、「じゃあ、1発落とそう」ということでやったら操作を間違って11発全部落としちゃったのね (笑)。「ありや、11発全部落としちゃった!」なんて爆撃手が言うからさ、ぐるっと周って見たら海の色が真っ黒く変わっていました。鯨はもう1頭もいなくなっていましたよ。

 --------その場合、基地に帰った後で、相当怒られるんでしょうか?

 中村‥基地に帰って小木曽准尉がその報告をしたら、もう出戦命令が下っているからというので叱られなかったそうですよ。

 --------笑い話みたいな。

 中村‥そうですね (笑)。

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