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特攻インタビュー(第2回) その11

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通常 特攻インタビュー(第2回) その11

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2012/1/9 7:30
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 ◆出戦命令から初陣まで(2)

 陸軍航空特攻 中村 眞 氏

 --------呑龍の場合は、基本的には8人乗りでしたですね?

 中村‥ええ、8人でした。

 --------その8人構成のチームというのは、いつも決まっていたのでしょうか?

 中村‥チームっていうのもなかったですね。本にも書きましたけど、搭乗区分っていうのが前の日に発表になって、正操縦は私、副操縦は誰、機関係は誰というような、その都度、新しいメンバーで指名がありましたから。

 --------じゃあ、どういう風なチームとか、ペアで乗り込むかっていうのは、毎回搭乗割が出るまでは判らなかったのでしょうか?

 中村‥そうです。搭乗区分が発表になるまでは判らないですね。

 --------日頃の部隊の中での人間関係というのが、かなり重要になるのでしょうか? やっぱり合う合わないとか、人間の好き嫌いがどうしても出ますものね。

 中村‥そうです。みんな顔馴染みです。グループでいつも付き合う顔じゃなくて、誰とでも話が通じるというような、良い点もありましたね。

 --------まだ特攻に行かれる前の部隊の生活で、思い出に残ることをお聞かせください。

 中村‥フィリピンに行って最初の初陣が丸山隊長(大尉・中隊長・機長)とのコンビで、隊長は副操縦兼爆撃手でした。タクロバン飛行場というのが第九五戦隊の攻撃目標。あの頃はもう昼間は飛べなくて、夜間に10分間隔の波状攻撃という単機の爆撃でしたから、サーチライトが我々を探しながら、高射砲弾がボンボン周囲で破裂する中を初めて爆撃をやりました。そのときは高度4000mくらいで行ったと思います。タクロバン飛行場の上には薄い雲があって、そこに10分前に飛び出していった他の隊の飛行機が、ボコボコ高射砲で撃たれているわけですよ。

 丸山隊長が「中村、6000mまで上がれ!」 って言いましたんで、本当はもう高度4000mから酸素吸入マスクを着けなくちゃならないのですが、そんなのもうすっかり忘れちゃって、そのまま6000mまで一気に上がりました。下の方では他の組が飛行場を攻撃している。その上に行って私が進路を決めて飛んでったら、その飛行場の上にこんな(手振り)雲がありました。「隊長、このままですと雲に入りますよー」って言ったら、「じゃあ、反方位で引き返せ!」と。その爆撃に入る進路っていうものは、どの飛行機でも全部違うわけですから、同じ進路で入っていくわけじゃなくて事前に決めてましたから、そこで反方位で引き返して爆撃をしました。やっぱり50kg爆弾を11発持ってったんですよね。そしたらどのくらいしてからか、「そら!当たった、当たった~-」と爆撃手の部屋から隊長が、もう飛行帽振り乱して上がってきましたね(笑)。今度は自分が副操縦の操縦梓を握って雲の中へ退避しました。そのときは敵の夜間戦闘機が3機ぐらい上がってきてい
ました。

 --------やっぱり初陣のときは、緊張されましたでしょうか?

 中村‥ええ、緊張しました。それが後になったら大分慣れました。あと落下傘部隊がブラウエン飛行場に降りたと。本当はみんな全滅していたらしいんだけども、降りた後、援助物資を投下しくちゃならんということになりました。島がいっぱいあるでしょ、それも夜ですから、どうやってその援助物資を投下するか。そのジャングルの中からね、懐中電灯をこう(手振り)回すことになっているから、よく見てろって(笑)。それで結局、そんな懐中電灯なんか見つからなくて、多分この辺だろうというところに援助物資を投下して帰ってきたこともありました。特攻に出る前には、いろいろ追尾攻撃も受けました。この頃は夜間しか動けませんから、こっちが行って敵を爆撃して飛行場に帰って来て、掩体壕に飛行機を押し込んだ途端に、敵がさっきの仕返しをしようと空襲に来てボンボンボンボンやられて (笑)、こつちも大急ぎで竹薮の中に逃げ込んだというようなこともありましたよ。

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