特攻インタビュー(第2回) その18
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編集者
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陸軍航空特攻 中村 真 氏
◆運命の昭和19年12月14日(1)
--------そして、いよいよ特攻出撃ですが、早朝だったのでしょうか?
中村‥そうです。12月14日午前1時過ぎに招集がかかって飛行服に身を固め、兵舎から戦隊本部に行きました。そこでみんなで並んでいると戦隊長から、「この攻撃は特別攻撃隊『菊水隊』と命名せらる」という第五飛行団命令の示達がありました。帯広駐在時代に高松宮から戴いた日本酒で盃一杯の乾杯をして、配られた恩賜のタバコを分け合いましたね。
--------普通に攻撃して万が一ダメだったら特攻をやればいいじゃないか、みたいなことが本には書いてありますね。
中村‥示達の後で丸山隊長から訓示があり、その中で「確実な方法で敵を撃沈せよ」と。体当たりで沈めろとは言わなかったからね。私は最初から体当たりで敵船を沈めようとは考えていなかったです。いろいろ攻撃して、どうしてもダメな場合に最後の手段として体当たりをと思っていました。
--------離陸のときの心境はいかがでしたでしょうか?
中村‥午前6時半頃に離陸しました。私は2番機で単操縦、500kgの爆装なので緊張したものです。地上滑走で出発点に着きフラップを15度に開きます。尾輪固定、プロペラピッチ最低、オーバーブースト解除を再確認して離陸目標のアラヤット山を睨むと、南海の夜明けの空を背景にして地平線にくっきりと浮かんでいました。滑走路の横、遠くに見送りの戦友たちが手を振っている。操縦梓を握りしめ右手を振り上げて「出発-」と怒鳴り、エンジンレバーを徐々に前方に押し出してゆきました。愛機は待ちかねたように全身を震わせて突っ走り、最後の爆音を轟かせて大地を蹴りました。「脚上げ!」…加速度がつく…「フラップ!」…ぐぐっと機が沈む…これでよし!と。