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羽生の鍛冶屋 本田 裕 22

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通常 羽生の鍛冶屋 本田 裕 22

msg# 1.23
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2012/2/18 7:44
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 新しい職場を見つけて、就職したものの、そこで待っていたのは、いじめでした。作業現場は主に溶接の仕事が多かったのですが、20代、が主で、30代、40代が数人、総勢30人足らずの小さな会社でした。入社して一週間位は何でもなかったのですが、10日目頃から、作業ノルマを余分に与えられたり、工場内の勝手がまだ分からないのに、図面だけ渡されて、これやっておいてくれと、指示を出され、あとは、聞いても、応えてくれず、自分で材料を探し出し、福岡出身の加藤さんだけが、親切に、工場内のことを教えてくれました。武里団地から通勤していた加藤さんのおかげで指示された仕事もやりこなすことができました。私より先に入社していた人の何人かが、私の溶接技術にねたみを持っているような感が見られました。それは、何かと、やりずらいところの溶接をさせることでした。
 入社して、一ヶ月が過ぎた頃、休憩時間の時、少し離れていた私の耳に、私への、ねたみの会話が聞こえました。
 はっきりと記憶にはないのですが、入社したばかりなのに、自分たちが入社した時より待遇が良すぎることへの不満のように聞こえました。高度成長期における、人出不足の中で、技能者を求める企業にとって、資格等を持った技能者に高待遇で受け入れたことが、時には私のように、どこからか情報が漏れたのか、職場の人間関係に悪い作用での経験をさせられました。2ヵ月の短い期間の中で、本社部長の工場長が、ある日映画を見に行こうと、浅草の映画館へ、そして、葵丸新の天ぷらをご馳走してくれたことが、何より楽しい思い出です。しかし、二週間後、私は、別な理由をつけて、退社したのでした。

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