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羽生の鍛冶屋 本田 裕 34 奮闘記 その3

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通常 羽生の鍛冶屋 本田 裕 34 奮闘記 その3

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/2/7 8:11
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 開店して、1ヵ月が過ぎた。お客さんも、はじめて見る顔の人が多くなりました。縫製に関係する人をはじめ、農家の人、そして、大工さんが目立ちはじめました。

 大工道具と云えば、鋸、鑿、鉋、玄能、など、数十種類の道具となります。東京の問屋と取引を始めたことで、品質に落ち度はなかったのですが、地元の大工さんの使用している道具の値段を聞いて、仕入れ単価が高めであることに気が付きはじめました。

 鑿を例にとると、鑿には、追入組鑿十本組があります。当時の大工さんは、十本組で2万円程度の鑿を使用していました。私の店では、2万5千円と三万5千円の値札を付けておりました。知り合いの大工さんから、「ちょっと高いんじゃない」と云われ、近隣の大工道具専門店の販売価格を何か所も調べて歩きました。

 そこで、分かったことは、やはり、私の店の大工道具は、近隣の中で、割高であることが分かりました。「仕入れ価格が高い」ということです。経験の浅い私にとっては、ショックでした。
 東京の問屋へ行き、専務に価格交渉をしましたが、うまく逃げられてしまいました。

 開店して、最初のつまずきが、仕入れの勉強が甘かったことでした。
 大工道具の販売価格を大幅に下げて、損を覚悟で見切り処分することにしました。東京の大工道具の問屋とは縁を切ることになりましたが、その問屋の課長が、情けの心で新潟の大工刃物の産地、与板町の良心的な問屋を紹介してくれました。

 東京製というレッテルだけで、取引をはじめてしまった私には、50万程の損失が月謝となり、仕入れ、品定めの勉強をさせる切っ掛けとなったようです。

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