@





       
ENGLISH
In preparation
運営団体
メロウ伝承館プロジェクトとは?
記録のメニュー
検索
その他のメニュー
ログイン

ユーザー名:


パスワード:





パスワード紛失

心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 16

投稿ツリー


このトピックの投稿一覧へ

編集者

通常 心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 16

msg#
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/2/6 9:16
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 少年兵の回想 その1
 村松十二期七中隊二区隊 山本 内良二

 「御国のために」 のひと言、ただそれだけで、なんの矛盾や、抵抗を感ずることもなく、少年兵を志願して、三十八年前の昭和十九年六月一日、遇然にも私の誕生日に、勇躍として、新潟県村松町に所在の、村松陸軍少年通信兵学校に入校、一年三ケ月、復員するまでの間、若人の情熱を燃やして勉学した当時のことが懐かしく想い出されます。

 私は、満十八歳になり年令の高い方で、旧制中学を中退してきた年令の低い者は、まだ十五歳位で、体格も小さく、私の目から見ても、甚だ失礼ながら「まだ子供のようだ」と感じたものでした。
 しかし入校すれば、十二期八百名の、「同期の桜」として、軍律厳しき中に、起居を共にして、通信修技に、電気磁気学に、軍事教練等と、日夜、苦楽を分ち合い、青春の一時期を、陸軍生徒として、少通校の体験をしたことは、私の人生にとって、誠に有意義なことであったと、感謝している次第です。

 通信兵は、電報の送受信をすることが主要任務であり、そのために、通信手段としての、モールス符号の記憶、修得が、必須の条件でありました。私は年令の高い方でもあり、純感でしたので、すべてに呑込みが悪く、入校当初、モールス符号を記憶するための苦労は、並み大抵のことではありませんでした。

 また、電鍵操作には、手首も固くなっていて、柔軟性に欠け、スムースにいきませんでしたが、スピードよりも、確実性に重点を置き、あせらず自分のペースで練習しましたので、幸いに「手崩れ」もおこさずに済み、幾多の辛酸をなめどうにか送受信の技を身につけました。苦労して覚えたものは、一度覚えてしまえば、なかなか忘れるものではありません。和文の送受信については、復員後に、逓信講習所に入り、再教育を受けた影響もあって、モールス符号はいつまでも記憶に残っていていまだに忘れてはいません。「雀百まで踊りを忘れず」の譬でしょうか。

  条件検索へ