@





       
ENGLISH
In preparation
運営団体
メロウ伝承館プロジェクトとは?
記録のメニュー
検索
その他のメニュー
ログイン

ユーザー名:


パスワード:





パスワード紛失

心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 36

投稿ツリー


このトピックの投稿一覧へ

編集者

通常 心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 36

msg#
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/2/28 6:54
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 父から息子へ、姉から弟へ
         -当時の記録からー     その4


 ○姉より (十一月三目付)

 光ちゃん。御手紙有りがたうございました。創立記念日の様子がよく分かりました。有意義な一日をお過しになって、一生の想い出になります事でせう。名月のあの日は、家でも例年の様に、ススキ、おだんごで決戦下のお月見を致しました。光ちゃんは新潟で、雅道ちゃんは有馬で、このお月様を見てゐるのかと思ひましたら、……幾年か前の征ちゃんの事が思ひ出されてしまひました。

 東西古今、月に対して、幾多の人々が嬉しさ、悲しみ、さびしさを語った事でせうか。日本が大東亜の盟主となる日も、あの月は秋の夜空に輝いてゐる事でせう。

 部隊長様から、御親切な御文を頂きました。ごきげんよう。


 ○日誌 (十一月五日付)

 第十一期生徒ノ卒業式アリ。
 昭和十九年十一月五日、静カナ静カナ、人ノ心ヲエグルガ如キ軍楽隊ノ調べノ中ニ、ワガ村松陸車少年通信兵学校第一回ノ卒業式ハ挙行セラレタ。

 天候ハ暗雲深ク垂レ、小雨サへ混ツテヰタ。「陸軍生徒○○以下○○名ハ、十一月五日、卒業ヲ命ゼラレマシタ。是二謹ンデ申告致シマス」 卒業生代表殿ノ声が頼母シク響キ渡ッタ。卒業ハ即チ出陣ヲ意味スル。

 大東亜戦争、将二酣ノ秋、日本ノ企画セル一大攻勢ノ中枢神経ト成ルベク、三百余名ノ若武者が勇躍、卒業出陣スルノデアル。現在ノ戦局ハ、丁度、今日ノ天候ノ如ク暗澹トシテ居ル。然シナガラ、コレラ卒業生殿ノカニヨリ、明ルク、清ク、晴レ渡ルデアラウ。卒業生殿ノカハ国軍ニ如何二貢献スルデアラウカ。期間ハ一年ニ満タズト雄モ、実力、技術共二充実セル立派ナ国軍中堅デアル。

 我等モ、卒業生徒殿二続キ、決戦二馳せ参ズべク、今一層ノ努力ヲ成シ、本日ノ感激モ新タニ修技修養ニ邁進セン。
“千万ノ軍ナリトモ言挙ゲセズ、取リテ来ヌベキ男トゾ思フ”

          (昭五十五年・かんとう少通)

  条件検索へ