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心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 23

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通常 心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 23

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/2/13 8:23
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 コウリャン飯と米の飯 その5

 あれから五十六年、今でも忘れられないのが、あの小学校の小使い室で食べた本場越後の白い米の飯の感激である。

 農業者として一生平凡気楽に過ぎた俺の人生に、只一度あの十四歳の少年兵時代だけが最も緊張し、生き甲斐に充実した貴重な時期だったと今も思う。
 あの戦争が良かったか悪かったか、何んてことは政治がやった事で子供の知った事ではない。
 唯尊きは子供乍ら祖国の急を肌で感じ、何の疑いも持たずに救国に志願する純な至誠である。
 これは今でも誇りに思い、幼少時軍籍に入り同じ至誠に燃えた戦友を全国に持ち得た事を、生涯に渡る幸せと信じている。

 入営前は鬼の住み家の様に聞いていた軍隊に対する先入観とは全然異なり、温厚で慈愛に満ちた上官に恵まれ、そして昭和の白虎隊、純真で至誠の固まりの様な戦友達、最近我が国の政界でも漸く教育の見直しを議題にされる様に成って来た。村松少通校の校長であられた高木正賓少将閣下も、其の自叙伝「百歳を迎えて」のご本の中にも「特に終戦時の陸海空の少年兵生徒諸君は日本復興の精鋭として、正に国宝的存在であり、今、全国に散在して健闘を続けている」と言う様な要旨の言葉を随所に書いておられる。
 これは現在の日本の青少年の精神面の塊状に対し、かつての少年兵生徒なら誰も持っていた純真な至 誠を正に国宝であると、評価しておられるのであろう。

 戦後すでに五十六年、帝国陸軍最年少の兵士と自負していた小生も、すでに七十歳、ご慈愛を賜った内務班長さん方、優しかった先輩助教官の曹長さんも故人となられ、紅顛懐かしい同期戦友諸君の中にも、数えて数人か……

 昭和は遠くなりにけり。

           
 (平成十三年・青春の絆)

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