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心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 32

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通常 心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 32

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/2/24 7:31
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 少通校における思い出  その2

 元 旦

 昭和二十年、十六歳を迎えたり。(注 満十四歳)「起床」 不寝番の声に飛び起きた。まだ薄暗い四時であった。本日は元旦でもあり、勢よく起床することができた。「お目出たう」 と挨拶を交わしながら、入浴場に一目散、早い者は入浴して居る、元旦の朝風呂だ。少しぬるかったが、一番で少しも汚れて居らぬ、風呂で心もさっぱりした。

 入浴後床をとり洗面して内務班に落ち着いたのは五時頃であった。父母に挨拶す。父母と離れて居るとやはり変な感じがする。父とは三年の間別れておるのである。家中一同にて正月を迎えたし。戦友とも「お目出たう」の挨拶を繰り返し点呼を待った。その頃になって大分明るくなった。

 校庭で点呼を受く。この冬には珍しく晴れて来た。よき元旦の朝を迎えた。食事は雑煮であった、少し固い餅であったがこの学校においての大御馳走であった。

 元始祭は十時より始まったがすぐ終ってしまった。
 元旦の午後は全員寝てしまひ、入院中の班長殿が病院よりきて「寝正月だな」と笑われた。正月は雪合戦などで本当に休んだ時は無かった。
 二、三日の朝は、汁粉の中に餅をいれたもので、これだけはたいした御馳走で旨かった。二、三日の昼は煮染めなどあり、家の正月を思い出す。雪合戦の血だらけになった跡もさっぱりして愉快であった。
 久しぶり正月のうまい御馳走を喰った。正月は御馳走をまって過ごしてしまった。


 入 浴

 入校以来、本校において日常の楽しみは、食事、入浴、就寝である。

 入校当時は、風呂にはいるのはあまり好きでなかった。その理由としてはなにもなかった。又その頃に、入浴場に行くのが一苦労であった。それは二年生殿に敬禮をせぬと、どなりつけられるのが、おそろしかったのである。

 だが大分なれてきた頃になって、入浴が好きになった。夏の演習が終わって汗をかいた時、すぐ入浴場へ行き、さっぱりするのはいい気持ちだ。月をながめながら涼しい風にふかれながら、中隊に帰る気持ちはなんともいへぬ。又冬は入浴が待ち遠しかった、毎日いきたくてたまらなかった。夏は入浴してもすぐ上がったが、冬は時間一杯暖まっている。その夜は自習時間も楽にすごし、夜も寝つかれぬ事はなかったが、入浴のない日は夜をすごすのが一苦労であった。

 今では入浴のある日は、課業が終ると早く中隊の石廊下に飛んでいって、入浴は何時かを、たしかめ、入浴時間五分前となったら、内務班は人一人おらなくなってしまふ。

 (平成十六年・区隊会配布資料)

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