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心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 20

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通常 心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 20

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/2/10 7:55
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 コウリャン飯と米の飯 その2

 「えーツままよ!」と、後先も考えないで全部平らげてしまった。
 生来、俺には此のような悪ふざけと言うか、おっちょこちょいと言うか、軽率なところがある。その為にに小学校では始終先生に立たされたり叩かれたり。
 自己弁護しょうとする訳ではないが、その時、二食分の飯を全部平らげてしまったオツチョコチョイは俺ばかりではなく七、八人いたのである。
 この悪の同類同志、「満腹になって、荷が軽くなるなんてこんな合理的な事はない」 等と、強がりを言って調子づいていたのだった。

 午睡をしてから、午後二時頃亀田町を出発した。
 銃、背嚢、雑秦、水筒、巻脚絆、軍靴、清十四歳一ケ月の子供も自分が帝国陸軍の軍人である事を一番自覚する完全軍装である。
 とにかく暑い日であった、越後の暑さは信州と違ってて蒸し暑い様な気がする。亀田を発って数時間行軍の後、阿賀野川河畔で待望の大休止、まだまだ太陽はジリジリと真上、堤防の上で解散の号令と共に喜先にと涼を求めて堤防を駆け降り、河川敷の葦やぶの中に分け入った、ところがまだ十分も経たないと思われる時、堤防の上で集合ラッパ 「集まれー」の号令、一時間の大休止の筈なのに!まあ、どうであっても仕方ない。堤防の上に駆け上がって整列、遠山中隊長より 「ここは危険な処で休むには適当な処でないので、場所を変えて改めて大休止をする。もう少し頑張ってくれ」と言う様な説明があったが、これをさらに要約(ゲスの勘ぐりも加えて)すると、次のような事であるらしい。

 解散の号令で皆葦やぶの方へ行った時、堤防の上に残っていた幹部上官達の処へ、地元の農家の人かなんかが通って「兵隊さん達この場所で休まない方がよい、ここはツツガムシの生息地で、もし人がこれに刺されるとツツガムシ病になり、高熱がでて悪くすれば死に至る。最近も若い娘さんが亡くなったばかりです。ここは早く立ち去った方がよい」 と忠告してくれた。

 幹部の皆さんは吃驚して、急遽大休止の中止を決定されたのであろう。
 「行車中に若し体調が悪くなったら直ちに衛生兵に申し出るよう様に」 と念を押して言われたが、別に其のような被害者が出たとは聞かなかった。

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