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心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 35

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通常 心のふるさと・村松 元少通生らが寄せる村松への思い 35

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/2/27 7:48
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 父から息子へ、姉から弟へ
         -当時の記録からー     その3


 ○父より (七月十四日付)

 元気溢るる希望に満ちた入校記念写真、昨十三日拝見致しました。

 軍帽、軍服は相当大きさうだが、もう丁度よく、体も成長した事と思ふ。

 幹部の方々の慈愛に満ちた眦り、安心致しました。父は、この写真を如何に待ち設けた事か。個人写真も出来との事、早く早く。



 ○父より (八月三日付)

 光威君。元気で軍務に精励の由、安心致しました。元気が何より、健康は国家の至宝也。当方も一同無事、各自の奉公に誠を効し居りますから御放念下さい。

 先日、佐藤徳夫さん (注、十一期生) が、わざわざお尋ね下された。丁度、小生退庁の行違いで面接出来なくてね。七月二十九日夜、蒲田のお宅に佐藤さんを御訪問して詳しく君の様子を伺った。大体の様子が判明して安心したよ。仲々大変な事と思った。此れも鬼畜米英の然らしむること、頑張りが緊要だ。無理でもあらうが、昭和青年に課せられた任務と思って責任を果たして呉れ給へ。小生の取調の前に出る不良児の多きにつけ、お前の、お前達少年の事を、いつも引例して不良児をなぐりつけ、訓戒を与へている次第だ。ほんとに、お前達戦友に対して心から合掌せずには居られぬ。乞ふ、我等の付託に添はん事を。

 お前の事を思ふにつけ、父は頑張らずには居られぬ。此頃は非番でも帰宅は午後七時過ぎだ。父の気持も察してくれ。
 母さんは母さんで、毎日隣組長として多忙を極めて居る。家事をやり乍ら、よく体が続くと感心して居る。これも一つにはお前の事があるからな。


 ○姉より (九月二十日付)

 光ちゃん。お元気で軍務にお励みのこと存じます。こちらも皆元気で居ります故、御休心下さいませね。

 東京も、この一週開、雨続きです。しとしと降る雨……ビルの窓から見る街々は雨に濡れています。

 新潟の方は如何ですの。季節の方は……もう寒い事でせうね。身にしみる秋風をほほに受けつつ、遠く新潟の貴方の事を想って居りますの。また、長野に疎開した幼い子達のことが新聞を賑しています。逢うも子のため、逢わぬも子のためとか……。近頃、疎開学童の事で、同窓会の幹事会が御座居ますの。私の同期生は、もう十九と二十なので兵隊さんですの。特幹志望が多くて、壮行会が十月十七日です。今の中学生は勉強など落着いて出来なくてよ。日々々、勤労奉仕、通年動員で工場生活です。お姉さんが帰る省線の中で、奉仕作業で疲れ切った中学生を見ますと、たまらなく、御苫労様、々々々と言ひたい位な気が致します。其の気持ちと共に 「ああ光ちゃんも家にいたら……」 と思ったり致しますの。でも軍務の方面で一生懸命頑張って下さいね。それのみ祈っております。

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