画像サイズ: 618×467 (39kB) | さて、この写真にあるチューリップですが「オタワ」はチューリップ・シティーと呼ばれているのですよ。 「あれっ。チューリップはオランダじゃないの?」と思われる方も多いと思います。
第二次世界大戦中、ヨーロッパのたくさんの王族がカナダに亡命したり疎開したりしていました。とりわけ、ドイツに占領されたオランダについてはこんな歴史があります。 オランダがドイツに占領される直前にウィルヘルミーナ女王はロンドンへ亡命したのです。 そして英国のチャーチル首相の支援の下、ここへオランダ王国の亡命政府を作りました。しかしロンドンも、相次ぐ空襲で、もはや安全ではなかった。そこで、ユリアナ王女をカナダへ疎開させたのですね。 ところがユリアナ王女が、このオタワ滞在中に出産を迎えたのです。オランダ国内で生まれなければ王位継承権が与えられないオランダの法律に配慮して、カナダ政府は特別な措置として入院していた病院の産室をオランダ領としオランダ国旗を掲げた。すなわち、この「産室はオランダの領土である」と宣言したわけです。 この時に生まれたのが、ユリアナ王女の三女(ベアトリクス前女王の妹)マルフリーテ王女なのですね。
オランダ王室はこの恩義への返礼と感謝の意を込めて、毎年チューリップの球根を贈っているのだそうです。 オランダとの友好を意味するチューリップが毎年5月にチューリップ・フェスティバルの会場いっぱいに咲くことから、オタワは「チューリップ・シティ」とも呼ばれているのです。その数は10万本以上で世界最大規模のチューリップ・フェスティバルとなっているんですよ。この会場以外でも、あちこちでチューリップの花を楽しむことができます。 |