画像サイズ: 387×272 (76kB) | 何故か、この旅の機中の様子は未だに忘れられないのです。 エールフランスや、英国航空は、当時から多民族型でしたが、ルフトハンザには、日本人とドイツ人が圧倒的に多かったせいか「ドイツらしさ」があふれていました。
最後尾の座席をあてがわれたこと。アンカレッジまでの飛行の長かったこと。アンカレッジ空港という不思議な空間。機内食のハンバーグにかけてあったソースのスパイスの香り。日本のドイツ料理のお店では気付かなかった香料。この強烈な香りは(といって悪い匂いではないのですが)飛行機という狭い空間のなかに着陸まで残っていました。 白いドイツワインのあっさりとした味わい。黒くて固いドイツパンとチーズ。 「トットットッ」と後部座席に伝わる鈍いエンジンの音。うとうとしかけると「ピンポーン」という乗務員連絡の電話の音が。寝静まった薄暗いキャビン。 夜行列車の記憶とも違う「何時もと違う夜」の記憶です。
真面目そうなスチュワデスさん。サービスしてもらうたびに「Thank you」と小声で言うと、都度「You are welcome」と小声で律儀に答えてくれたこと。
そんな長いフライトも終わり、眠い目をこすりながら、フランクフルト空港についたのでありました。 この絵葉書は、座席のポケットに入っていたものです。 |