画像サイズ: 490×309 (24kB) | チロルの谷のお寺
おばあさんによくお礼をいって宿をでる。バス停は村の中心、お寺の前にある。バスの出発時刻まで、まだ一時間もある。お寺の前には村人が4、5人集まっておしゃべりをしている。男は背広にネクタイ、女はスーツをきている。すでに日も昇って暖かくなってきた。だんだん、村人の数がふえる。ついに、広場は人で埋まった。村民の殆どがここへきているようだ。だいたい、服装は日本でいえば大正か昭和の初期のものとおなじ、なかには、チロルの民族衣装の人もいる。みんな精一杯おしゃれをしてきたのであろう。なんだか時代劇をみているような錆覚におちいってしまった。やがて時間らしく会員お寺のなかにはいっていった。この時期、こうやって正装で祝日にお寺参りをするところはヨーロッパ広しといえどそうそうはない筈。山村だということも確かにあろうが、そればかりではない。やはり、村の教会は心ならずもイタリア国民として生きていかねばならないチロルの民の心のよりどころでもあるのではなかろうか。 |