画像サイズ: 520×261 (27kB) | グロースグロックナー(3,798m)はたいへん魅力ある山で、今も昔も多くの人々を惹きつけています。オーストリア皇帝もそのおひとり。1856年、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世は皇妃エリザベート(シシィ)とご一緒にこの山の氷河の見物に訪れ、見晴らしを楽しまれ、グロースグロックナーの偉容に深い感銘を受けたと伝えられています。 そこで、この峠の名前が「フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ(標高2500)」と名付けられています。 (オーストリアの人たちは「フランツ・ヨーゼフさん」がお好きらしく、ウィーンには「フランツ・ヨーゼフ駅」があり、ドナウ川の遊覧船にも「フランツ・ヨーゼフ号」と名付けられた船が就航していたりと、あちこちで「活用?」されています。そんなに「フランツ・ヨーゼフさん」がお好きならば、共和制なんかにしないで「オーストリア帝国」のままでいればよかったのに)
バスは、ここでお昼の休憩。茶店でサンドイッチとコーヒーのお昼を済ませた後は、雄大な山並みが、雲からでたり、隠れたりしているのを、同じバスで観光に来て人たちと一緒にひたすら眺めたり写真を撮ったりしていました。 そのうち、誰かが「あっ。マーモットがいる」と叫びました。みな一斉に駈け出した。私も大慌てでカメラを持って走ってサクの向こうの氷河の方に向かいました。さて、バッグからカメラを取り出そうとすると、あっ、なんとしたことか、カメラは氷河の谷底の方へころころと転がっていってしまったのです。ああ、消えちゃたぁ。 フィルムは、その朝取り替えてきたわけですから、この素晴らしい光景ばかりでなく、「バカ・マーチャン」が、ポストバスの運転手さんの制服制帽を身につけて運転台に座っている写真も消えてしまったのです。 旅の終わりになってカメラをなくしたわけですから、被害は小さいのですが。きっと神様が調子に乗りすぎている「バカ・マーチャン」にお灸をすえたのでしょう。
旅には失敗がつきもの。失敗こそ、旅の思い出に残るものなのです。
この旅は、これで終わりです。次を旅にご期待ください。 |