画像サイズ: 960×539 (57kB) | ドロミテ山塊の東側 5
さて、宿のことも聞いてくださいね。 一泊目に泊まったのは、ホテル・トラウベ(葡萄ホテル)Vergeiner's Hotel Traubeです。マーチャンの好きな1860年創業の家族経営の小規模なホテルです。スタッフはフレンドリーでなんとなく寛げるホテルです。 重々しい鉄の扉の葡萄のデザインも、鉄の装飾看板も、年代モノです。 入り口脇から地下へ下ると、なかなかいいレストランがあります。バッカスさんもお待ちですし、今夜はもちろん、ここでワインです。葡萄酒です。 はい、ディナーはイタメシです。 この地下室の酒蔵に続いたレストラン、宿泊客ばかりでなく、外部から食べに来る人も少なくありません。 たしかに、お酒も、お料理もよかったですし、お給仕のオニイサンも楽しい人でした。 本当は、ここに2泊するつもりだったのですが、葡萄ホテルは、翌日は貸切になるので、泊まれないとのこと。他を探したら「五つ星のホテルGrandhotel Lienz」しか空いていなかったのです。 いくら、田舎町とはいえ、そんな御大層なホテルに、洋風の行儀作法もわきまえない、もんチャン・マーチャン・コンビが泊まるのは如何なものかとも思いましたが、ほかに選択肢がないので、結局泊まることになました。 せっかくなので、ディナーも「五つ星ディナー」をいただくことにしました。 ダイニングルーム入り口で、迎えにきたウエイターさんに案内された、川に面した窓際のテーブルには「Willkommen Fam Wakamiya」と書かれた陶製のプレートと、洋風の「お通し」が待っていました。 ご大層ホテルで、もう一つ「えっ」と思ったのは「宿泊のご案内」に「当ホテルでは『ターンダウン』につきましては、お客様のご要望かある場合のみ行っております。必要な方はお知らせください」とあるのです。 Turndown とは、私の知っている範囲では「拒む」「蹴飛ばす」等の意味と理解していたのですが、ホテルの「ターンダウンサービス」とは、客室スタッフが、ベッド・スプレッド(ベッドの一番上にかける布製のカバー)があれば外し、アッパー・シーツを折り返えす、併せて、カーテンを閉めたり―――簡単に言えば「お休みの準備」を行ってくれるサービスのことなのですって。 高級ホテルに於いては馴染みのあるサービスらしいのですが、わざわざ来てもらうほどのことではなので自分たちでやりますーーーという人も多いので、一応ご希望を伺うという意味なのですね。へぇ、知らなかったぁ。 もちろん、我々は、そんな「余計なおせっかい」は、頼みませんでした。 |