画像サイズ: 589×331 (39kB) | ミュンヘン経由でボーデン湖へ 5
さて、ボーデン湖は、琵琶湖の2倍近い大きさで、ドイツ、オーストリア、スイスの国境にあります。ということは、この湖を渡る遊覧船に乗りますと、ドイツ、オーストリア、スイスの三カ国が眺められることになります。
そして、水はライン川から流れ込み、またライン川へと下っていきます。ライン川はヨーロッパの「父なる川」と言われていますが、そうであればボーデン湖は「父なる湖」ということになります。なお、ヨーロッパの「母なる川」と言われているドナウ川の源泉も、ライン川の源泉近くにあります。
ここまで来て、遊覧船に乗らないで帰る手はないです。慌てて船着場の切符売り場へ行き「えーと、遊覧船には、どんなコースがあるのですか」ききますと「そんなことより、あと6分で最終便が出る。乗るのなら急いで切符を買って船着場へ行きなさい」と言われてしまいました。我々が、あわてて、お金を払って切符を買い、桟橋を渡りかけると、はや、船員さんは友綱をとく準備をはじめました。
ところが、ここに至って桟橋にパトカーみたいなクルマが横付けになり、役人風の男性が2人降りて出港しかかっている船に乗り込んできました。はじめは「あれ。テロリストの警戒かしら」と思ったのですが、彼らは防弾チョッキも着ていないし、ハジキも持っていません。しかし、船長と思しき人が、彼らを案内して船内に入ってきました。10分くらいするとお役人さん?は降りて行きました。おそらく保健所の「湖の水質管理状況検査」の類ではないかと思います。
それで、出港かと思いましたら、第二幕がありました。出ていこうとする船に向かってオバサンが疾走してきたのです。彼女は、ハアハアいいながら、船員さんへ何かの包みをわたしていたのです。想像するに、あのオバサンは湖畔のカフェの女将で、お客さんの忘れ物を届けに来たのかもしれません。
我々は、桟橋のよく見える位置にいたのですが、すでに出航前に二幕のドラマを見ることができました。 マーチャンは、そんな些細なことばかり書いているから旅行記が先に進まないのよ」というご意見をお持ちの方もおられると思います。しかし「神は細部に宿り給う」のです。「どうでもいい些細なこと」を観察することこそ、旅の醍醐味のです。 |