歌集巣鴨・4
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編集者
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冬
わが心恃めなくなり出で来れば(くれば)寒空(さむぞら)遠き暁の明星 炭床 静男
霜凍る朝をひもじく鉄柵に沿へば如何なる懺悔も空し 大槻 隆
氷雨降る房にこもらひ「関東軍最后の日」なる小説をよむ 田中 徹
寂しみとこの悲しみを誘ふごと時雨は間なく惑を湿す 吉田 喜一
肩先に冷え及ぶなり手ぐさりの白くひかりてくびれ来るとき 岩沼 次男
冬空にむかひて眸疲るれば愚かなるかも心和(な)ぎにけり 大神 善次郎
初冬(しょとう)の陽だまりにゐて今更に空の蒼さをしみじみと見つ 浜田 貞
囚人の笑ひうつろにひびきけり冬の眞晝の風なき庭に 原口 要
動かざる大き雄鶏薄目あけて冬空巡る日を探ねたり 大石 鉄夫
御佛(みほとけ)の眉の容(かたち)の三日月が病棟の上の晝空にあり 諌山 春樹
花圃の雪解けの土を平(な)らしつつ大寒にむかふ芽をいたはりぬ 大神 善次郎
音たてて枯葉を街に吹き放つ風あり遠く冨士見ゆる舗道(みち) 大槻 隆
冬籠るものはひそみて刑場に蜘蛛の巣のみが光を乱す 同
夕ざれば立体の影投げ合ひて地上のものら個々に貧しき 小林 逸路
くだちゆく冬夜の房にめざめ居て孤高の二字を思ひつづくる 丸山 一字読取不能
呟つぎて目覚めしがまた空洞のごとく底冷ゆる闇に眠れり 大槻 隆
予報ありて面会なかりし日の夕ラヂオは北海道の初雪を報ず 福岡 千代吉
南の島ゆ還りて初めての斑れ白雪我は踏みつつ 樋口 良雄
舞ひ降り舞ひ昇りては積む雪をひとやの窓に飽かず眺むる 牧沢 義夫
ちらちらと白雪の降る獄庭にするどきひわの声冴え渡る 星川 森次郎
庭隅の冬陽とどかぬ凍土にはつかに残る昨(きぞ)の夜の雪 坂巻 信雄
朝早く面会人の往き来する道の凍て雪除かんとする 田中 勘五郎
残雪に照れる光はあたらしく疎懶(そらい)の意(こころ)いましめやまず 平尾 健一