歌集巣鴨・50
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編集者
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死 刑 囚 に 寄 す
異 国(その一)
開きたる獄の鉄扉の夕蔭を出で行く君のマスクは白し 長谷川 稔
(上海八首)
父が友人張宗援、伊達順之助先輩を提藍橋監獄に送る
刑場につづかむ道も大君の辺と往く君の眉目のすがしさ 加藤 三之輔
その胸に日章旗いだき夏草を赤き血染に君は染めしか 大西 正重
一年を其日のままに俗名の位牌におはすみ灯(ともし)の揺れ 伴 健雄
魂祀る宵とはなりぬしかすがにその遠妻に告げむ術はや 永田 勝之輔
同胞が守りてかへる御骨らを畑に佇ちて見おくりまつる 安野 秀岳
ここにして時雨冷し埋もれる勇士の骨に浸み徹るらむ 酒井 正司
還りゆくわれら集ひて野火の煙たゆたふ丘にみ骨を拾ふ 今野 逸郎
唐人の歓呼の中に散りしかや銃声聞ゆ白雲山(はくうん)の麓 増山 喜平
(廣東)
鯉魚門(りぎよもん)に葬られたる御霊はや二歳(ふたとせ)の忌に黒潮おらぶ 小原 直治
(香港五首)
鯉魚門の潮(うしお)は疾(はや)し底碧(あを)し鉄を抱(いだ)きて葬(はふ)られし友等 吉田 朋信
水葬する屍の重錘(おもし)の鉄棒が解剖室の前に置きあり 田原 巌
名も知らぬ野の花なれど水に泛かべこころからなる霊祭りする 徳永 徳
二十六人の同胞の首吊りにける英人看守の腕の入墨 吉田 朋信
刑場に今向はむとする友の金歯の光今も目にあり 神保 善治
逝き給ふ刻は迫るか独房の前の足音(あのと)のあわただしもよ 吉井 啓祐
この辺(あた)り君か亡骸(むくろ)の土ならむ手に掻きよせて袋におさむ 若松 斉
海ゆかばみづく屍と歌ひつつ絞首台にいま友ひかれゆく 渡辺 正
(マニラ二首)
死刑囚が今する挙手の敬礼は永久の別れぞ應ふ術もなき 酒瀬川 眞澄
「十四名銃殺せらる」と大文字のマニラニュースを声なく見詰む 野口 悦司
(巣鴨四首)
「比島戦犯死刑執行」の記事いたまし罪なき戦友(とも)ら遂に逝きたり 野崎 敏雄
比島の死刑囚
厳かにいのちきはまる時にして己が潔白を語りしといふ 北田 満能
十四名比島にて執行さるとききて
さなきだにかなしきものを白藤の散れる夕べの庭に佇ちゐし 鈴木 義輔
刑死せし友の空部屋おとなへば小鉢の野菊色あせてあり 小市 廣栄
(グアム島)