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歌集巣鴨・9

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編集者

通常 歌集巣鴨・9

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/7/21 15:40
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298
 
 た よ り

 故里のくらし偲びて面会も直ぐとは云はず無事のみ報ず      清水 利行

 なんとなく君の便りの来る心地しきりにすなる秋晴れの朝      谷口 武次

 久にして受けしたよりは掌にのせて重さたのしみ封を切るなり      小牟田 幸

 妻にのみ出す文続き方々にできし不義理は目をつぶるなり      田代 友禧

 護摩たきてひた待ち居るといひくるる母の便りを繰り返し読む      井野 雅治

 今日も亦母の便りに勵まされ淡きのぞみを持ち続けむとす      星川 森次郎

 不孝の子吾れに体をいとへとぞのたもふ母は七十二に在す      立石 善次

 悪戯の日にけに増すと送り来し吾子の手形にわが手重ねぬ      内田 泰司

 片言で別れし吾子が小学校に入学せりと便り届きぬ      橋本 孟

 うつつには再(ま)た逢ふよしもなき妻を身近に想ふ吾子の文見て      伊藤 義重

 あげまきの汝が面影の眼にありて乙女さびたる文になじまず      谷口 武次

  (衣類を妻のもとに送りて)
 法廷の苦患な知りそスェーターの血膿(ちうみ)のあとは気づかず洗へ      中原 獅郎
 
 傍らの子等が熟睡を目守りつつ此の文書くと遠妻便り      小牟田 幸

 「何時までもあなたの帰り待つ」といふ妻の便りに涙流しぬ      宮崎 博

 想はする文字はなけれど読み返す妻の便りに滲む寂しさ      足立 福三郎

 吾にだに愚痴を告ぐれば心癒ゆと悲しき言を妻の添へたる      田代 友禧

 米俵を積みて数ふる舅姑(ちちはは)を見つつ嬉しと妻は書き来ぬ      出口 太一

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