歌集巣鴨・7
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編集者
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ある日の歩み(その二)
今日もまた火見櫓に人ありて北空ひくく雲かたよりぬ 松井 正治
風にのりくる少年の声聴きゐしがまた塀ぞひの遊歩にうつる 福岡 千代
対ひ家の庭に舞ひたつ小旋風(しょうつむじ)の白き紙片に犬がじゃれをり 中庭 顕一
垣の外の電柱に寄りて幼子に父の在処を知らす若妻 林 義則
鉄窓のまなかひに見ゆる煙突の「月の湯」の文字は見え難くなりぬ 諌山 春樹
ひっそりと貧しき街に眞日照れり終戦の日もかくありしかな 大石 鉄夫
美しきをとめの群が通りゆく舗道のかなた夕茜せり 中庭 顕一
夕映ゆる造幣廠の煙なき煙突に集ふ烏二つ三つ 木下 武
通気孔に巣くふ雀の帰りたるかそけき音に今日も暮れけり 小牟田 幸
このふとん机ともなり或時は食台ともなりて既に久しき 田中 徹
匙をもて沢庵漬を食むことも巧みとなりて囚人さびたり 長田 邦彦
今宵また煮物ばかりの献立に何はなくとも新漬(にいづけ)ぞ欲し 黒岩 康彦
柿一つ膳に上りて獄なれど故郷を語る夕餉楽しも 永岡 政治
窓に佇つわれに向ひてアパートの稚子がうち振る日の丸の旗 山上 均
想出をそのまま未来の夢として老いゆく牢の現実に生く 小野 武一
うつぶして祈るが如く咳き入れる老囚の刑は無期とぞききし 林 廣司
アメリカに阿諛するごとき記事のみの目につく日なりわれ怒れるか 高橋 丹作
生きの身のみぬちにたぎつ赤き血のうづきに耐へて今宵わがをり 山田 太一
日に幾度数へらるる身か今もまた夜の点呼の笛鳴り渡る 横山 公男
宵々を点呼に立てば硝子窓にうつるわが影淡々として 諫山 春樹
暮れなづむ街にネオンのまたたけば又あらたなる悲しみぞ湧く 上新原 種義
白壁に汚点(しみ)あまたあり四十ほど数へてやめぬ徒然の夜 西田 一夫
何事かせねばならぬと云ふ思ひ一日さらず床はのべにき 小谷 義郎
いつまでもいついつまでもかはらじと語り明せし雨の夜ありき 猪上 光繁
蒸し暑き房に臥せれば今宵また思ひ出悲しき傷痛み来も 横山 匤寿
真向ひの友は安らかに眠りたり佛教聖典を手にしたるまま 田中 徹
独房の灯つぎつぎと消えゆきてひとやの長き一日(ひとひ)終りぬ 橋本 孟
ひたむきに「或る遺書に就て」を読み終へし夜半を無心にこほろぎの鳴く 坪川 豊久