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歌集巣鴨・11

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通常 歌集巣鴨・11

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/7/23 8:23
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 病 間

 あたたかき友の情にみとらるるこの幸(さきは)ひを妻に告げまく      大島 紀正

 いくたびか望を断ちしわが病友の情に奇しくも癒えたり      小山 貞知

 屋上を工事するらし槌音がわが病む胸に響きて痛し      岡島 眞

 人恋ふる心湧きつつ病房に古新聞をひろひ讀みする        同

 病み呆けて折々何も思はざりまばたきもせず白壁に見入る      関 一衛

 病み臥る夜半を目覚めてひとり聞く雑居の房の雨漏りの音      宮武 都夫

 吾が胸の写真に見入るドクターにおぶさる如く吾ものぞきぬ       射手園 達夫

 吹きつのるケート颱風に醒めゐつつ明日退院の獄友(とも)まもりをり      白土 伍郎

 戦犯と六年を堪へてやうやくに曙光みゆるとき中風は病みぬ      菱田 元四郎

 一時間余りかかりて抜歯終りし時煙突の吐く煙は黒し      寺田 清蔵

 いくらかは心おちつき歩みゐる狂者に午後の陽光(ひかげ)おとろふ      楢崎 正彦

 病窓に倚りて眺むる大川に今日も暮るると鴎帰りぬ      鈴木 薫二
 (於三六一病院)

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