歌集巣鴨・6
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編集者
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或日の歩み(その一)
今日もまた二つの眼(まなこ)あきにけり空蝉(うつせみ)の命いきてゐたるはや 桂 定治郎
生死(いきしに)を天(あめ)の定めとさはやかに今もさはやかに思へる我ぞ 同
鍵をあくる音にめざめてほのかなる窓のしらみに一日(ひとひ)をおもう 松井 正治
あけやらぬ獄舎の門にならぶ灯はマヌスに友を送らむバスか 小出石 繁丸
裁かれむ人らもひつつマヌス島を南緯七度の図上に見たり 浅利 英二
「生れ故郷はいつ見てもいいなあ」と夢のことを友が朝起きて言う 橋本 孟
毛のぬけて棒となりたる歯刷子を今朝も使いぬ囚屋のわれは 星川 森次郎
三月釈放説も恃みがたくうそ寒き朝を甘藍移植す 本間 八郎
根なしごと時にはよろし明るさの中に在るとき人争はず 伴 健雄
ほころびを縫ひゆく手つきもいたにつき牢生活は三年を経ぬ 橋本 孟
穿き古りし手縫の足袋は再びを繕ひ了へて手筥に仕舞う 諫山 春樹
獄廊に裸身はさらし湯に行くと走らば更にみにくからむか 下田 千代士
Get up ! とわめきて友を蹴りにける赤ら面(おもて)は胸に刻まむ 同
今朝吾に敵意のまなこ差し向けし兵にこだはりて寒き日昏れつ 中庭 顕一
たぎちくる底ひの忿堪へがてに窓辺に佇てば富士遠白し 穐田 弘志
したたかにドア閉す音あひつぎて吾らが示す小さき反抗 大島 紀正
捜検にとり乱されし房の中妻の手紙に黒き靴跡 田中 良平
土足にて踏みにじられし吾が過去の怒り新たなり検査日ごとに 藤井 正市
所持品のすべてを並べ検査待つ(まつ)小盗児(しょうとる)市場のこと思ひつつ 市橋 重雄
ためらひも卑屈もなく捜検の日本人看守に眞向ひにけり 長田 邦彦
胸を張りて「君ヶ代」に和す戦犯の堂々として卑屈なるなし 森本 新
(運動会)
神を求め生きむ希ひの素直にてためらはず手を挙ぐる幾人 福田 千代吉
(教会)
いつしかに席定まりてつつましく歌会に今日も列りて居り 諫山 春樹
何となく力湧き来しこの頃は夜も講義の席につらなる 友森 清晴
雲上の人と思(し)ひゐし荒木貞夫吾と話しつつ好々爺なり 大島 紀正
焚火する友等に交り白鬚の南老人の童顔が見ゆ 橋本 壽男