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歌集巣鴨・13

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編集者

通常 歌集巣鴨・13

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/7/25 8:54
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 面 会(その二)

 うれしげにもの云う妻のふけたるは告げがたくして眼をふせぬ      小谷 義郎

 桜花われに見せむと小枝一つ袂に秘めて妻が会ひに来し      穐田 弘志

 平静を装ひ話せど声かすれ早口となりぬ妻と逢ひしとき      片山 謙五

 つたなかる言(げん)互(かたみ)にいひにけり短き逢ひの時すぎゆくに      浜田 貞

 口下手のわが性さびしたまさかに逢ひける妻を慰めかねつ      岩沼 次男

 幼な子の軽き寝息を網越しにききつつわれは妻と語りぬ      宮崎 博

 三重の網戸悲しも妻と子の面輪はしかと見えぬなりけり        同

 はにかみて乳房に頬をうづめつつ時折われを盗み見るなり      岩沼 次男

 金網の無くてしあらば子を抱きて頬ずりもせむ口づけもせむ      小野瀬 一郎

 七年前妻の胎内にありし児が今網越しに吾と対(むか)へる      高橋 丹作

 退職金をあてに購(もと)めし赤き靴脱ぎて網窓(あみど)に吾娘は示しぬ      諌山 春樹

 昔わが著馴れし背廣身につけて子ははるばると面会に来し      吉田 喜一

 いとし孫の網を叩きてほほゑめばまなこくもらし共に笑へぬ      沼尻 茂

 はるばると筑紫の國ゆ来たまひし姉と短き時過しけり      樋口 良雄

 盆花火見給ひし夜に逝きたりと告ぐる妹を網窓は隔つ      菅田 近好
 (父の訃報)

 苦しかる生活(たつき)は云わず新潟より月毎に兄の会ひに来ますも      小林 宗平

 (妻の重病を見舞ふと五日間の假出所を許さる 二首)
 助からぬかも知れぬ妻の腎臓摘出の傷跡にそっと触れて見ぬ      芳尾 哲郎

 吾が胸に面打伏して咽び泣く汝が黒髪を噛みゐたりけり        同

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