@





       
ENGLISH
In preparation
運営団体
メロウ伝承館プロジェクトとは?
記録のメニュー
検索
その他のメニュー
ログイン

ユーザー名:


パスワード:





パスワード紛失

歌集巣鴨・39

投稿ツリー


このトピックの投稿一覧へ

編集者

通常 歌集巣鴨・39

msg#
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/8/21 17:49
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

  夏

 木曜日
 湧き立ちし誦経の声や夕まけて窓に揺れへぐ白孔雀草の花       森 良雄
                              (巣鴨七首)

 水をかへ霧吹きやりし紫の矢車草は見つつ飽かなく      故田口 泰正

 書につかれ見上ぐる窓の風にそよぐうすくれなゐの蝦夷菊一輪        同

 活けかへし紅ゐうすき蝦夷菊の窓にゆれつつ晝たけにけり      故鈴木 賞博

 淡き灯の晝もひともるわが房に薄紅愛(うすべにかな)し蝦夷菊の花      故成迫 忠邦

 夕立の気配の風が吹きたちてつぎつぎ獄窓(まど)を閉ぢゆく音す        同

 死(しに)を思(も)ふはかなしかれども梅雨はれて朝は清(すが)しく飯食(いひを)しにけり      友森 清晴

 長かりし雨やうやくに晴れむとし正法眼蔵を窓に持ち倚る      白倉 刀禰男

 関聨なく浮ぶ追憶の一つにて比島の獄に植ゑしパパイヤ      渡辺 斂 

 懶げに佛桑華の花揺れて居り夕べの光ただよへるなか      故中田 新一
                           (ビルマ二首)

 うつらうつら物思ひゐるわが肩に糞を落しぬひとやのやもり        同  

 窓の空はうつろひ十字星の右のはづれに蝎座(さそり)出で来ぬ      酒井 光
                                 (チピナン)

 蜩の声聞え来る夕にして吾は日誌に夏去ると書く      田代 敏雄
                       (巣鴨二首)

 岡田資氏を悼む
 雷鳴の轟きわたる夜の牢に師はひたぶるに生死(しゃうじ)説かしき      冬至 堅太郎

  条件検索へ