歌集巣鴨・18
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編集者
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感 懐(その一)
死刑より減刑されて
二年を死に隣して過ぎにけり余生を此処に籠らむとする 炭床 静男
死刑より減刑されて
生命ながく生きむと思ふ牢の日々老後訓など抜書をする 友森 清晴
減刑のありたる夕べおのづから房訪ふ人の声も明るく 原口 要
死刑より減刑となりし我がもとへ人の便りは急にふえにき 吉原 剛
死刑より減刑されて
減刑の今日は素足に踏みてみき土の触感のまこと親しく 上新原 種義
久にして素足に踏みし朝の土土は親しきものにぞありける 山本 福一
減刑になりて 二首
ひととせを秘めてもち来しわが遺髪明けゆく朝の水に流すも 冬至 堅太郎
睦び来し友と別れて死の牢を去りゆく心ユダの如しも 同
静脈のことさら青く見ゆる日よ何となけれど哀しく思ほゆ 内田 利宏
深海魚となりて木立を泳ぎけり或る月の夜の獄の中庭 井上 彦次郎
紀元前五八六年ユダヤの國敗れてその俘囚五十年間バビロンに留めらる
ユーフラテスの岸の柳に琴をかけシオンの歌をうたへと云はれつ 平光 吾一
男はも此の世にあればほろにがき茶の味ほどにありたきものぞ 伊藤 義重
おのが子を呑みしのちにも満たされぬクロノスの底意(そこい)を國々(くにぐに)に見き 平尾 健一
虔しく生きむ希ひの崩れゆき世界動乱のきざしにおびゆ 福岡 千代吉
(朝鮮戦争)
アトミックボンおとせと言へる海彼(かいひ)の声いまいましくて今夜(こよい)ねむれず 平尾 健一
原爆を責め日本の主張諾ひし印度の声を聞き給ひしや 牧沢 義夫
凍原のも中に寄する軍ありて三度京城の危機をつたふる 大神 善次郎
ゆくりなく因縁の日の一瞬にかの将軍は命死にけり 毎田 一郎
(ウォーカー中将)
憎しみはすでにあらずと遠き日の俘虜が勝者の福音を説く 同
御風先生の死が新聞の片すみに小さくのってをり五月の雨の日 星 良三
秋風の身に沁む思ひ新なり終戦五年尚ほ獄に坐す 橋本 欣五郎
「君が代」の存廃記事を読みゐつつ時代の変遷(うつり)牢に目守れる 浅利 英二
獄にして無為に過ぎゆく中年のいのちは愛ししみじみかなし 寺田 清蔵
七畳に四十人住ひし天津のひとやの夜々が今思ほゆる 毛利 兼雄
(巣鴨転入第一夜)
故もなく眉根に皺を寄する癖がああ幽居(かくりゐ)の記念となるか 小野瀬 一郎