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歌集巣鴨・37

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通常 歌集巣鴨・37

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/8/19 17:49
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 絶 叫 (死刑囚のうた)

  永 別

 死(しに)の場(ば)に連れ去られゆく人々を喉(のみど)乾(から)びて見送るわれは      平尾 健一 

 死に就くと友ら去りゆく下駄の音冴え返る夜の牢にこだます        同
                            (巣鴨十一首)

 死に一人(ひとり)連れ去られゆきし夜の更けて息づまる如くDDTが臭ふ         同

 ただ默(もだ)に死に就きにける廣田さんを思ひ出づれば夜は更けがたし        同

 とほり魔にひかるる如く今宵また奥の部屋より一人死につく      楢崎 正彦

 今生の別れ告げゆく君が手に最后(つひ)の煙草の火はあかかりき        同

 巷には労働争議あひつげる今夜(こよひ)を君は獄に死に就く      故幕田 稔
                            (佐藤勇氏二首)

 友一人連れ去られたる夜は過ぎて紅(くれなゐ)かなし鳳仙花のはな        同

 昨夜(よべ)ここに共に坐りて唱ひしが今朝の日射に君はゐまさず        同 
                                 (大隅馨氏)

 死につくと気狂ひの友あどけなく夜更けの廊を連れゆかれたり        同

 默(もだ)しつつ去りしが故にひとしほに心に沁みて汝を思へり      鍵山 鉄樹
                              (青木勇次氏)

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