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  • [No.7018] Re: 寺院のしきたり 投稿者:まや  投稿日:2015/03/23(Mon) 12:03
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    紫雲さん、今日は!

    > 寺院のしきたりが解ってびっくりいたしました。
    >
    > 古寺からここまで立て直すのは莫大な費用がかかっています。
    > 故人を含め母・親戚などが何千万と寄付し、勿論檀家さんも寄付をしてくれました。
    > しかし、それは宗教法人の物となってしまうのです。

     紫雲さんの書き込みにいささかとまどっています。
     莫大な費用を投じたからといって、そのお寺をどうするつもりだったのです?

     私は仏教のしきたりや仕組みは存じませんが、寄付その他一切は寄付などを受けた
    お寺さんのものになるのではありませんか?

     キリスト教で言えば、私たちの寄付(献金と言います)はすべて所属教会のものに
    なります(ただし、献金をするときに「○○のため」という目的のある献金であれば、
    すべてその目的のために使われることになります。献金した者が一文無しになろうと
    も、それは関係のないことです。人がその宗教のために一生を捧げて働こうと思えば
    献身をすることになります。献身した場合には所属している教会とその宗教のために
    全身全霊をかけて働くことになりますし、所属教会は献金を集めてその働き手(牧師
    や伝道師、宗教上の指導者)の少なくとも最低限の生活ができるだけの費用を負担し
    なければなりませんが、それが出来ない場合には献身した人は生活のために働くこと
    にもなります。すべて宗教法人のもので、私物はあってもないのと同じです。

     仏教のことは知りません。でも、私の両親や親族のお寺さんとの関わり合いを見る
    と、表向きにはどの宗教も同じように思えるのですが・・・?

    まや


    [No.7017] Re: 寺院のしきたり 投稿者:紫雲  投稿日:2015/03/23(Mon) 11:23
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    オアシスさん、まやさん、まるこさん、ぱらむさん、くるくるさん、
    おはようございます。

    皆さまからお悔やみの言葉を頂いてちょっと面食らっております。
    本来は「生と老」に載せるのかと思いましたが、
    あえて「寺院のしきたり」と題して文集に載せました。
    皆さまのお優しいお言葉、ありがとうございます。

    私個人のブログには「弟が逝く」としてあります。

    寺院のしきたりが解ってびっくりいたしました。

    古寺からここまで立て直すのは莫大な費用がかかっています。
    故人を含め母・親戚などが何千万と寄付し、勿論檀家さんも寄付をしてくれました。
    しかし、それは宗教法人の物となってしまうのです。

    そのような事は殆どの方はご存知ないと思います。
    親戚我々も矛盾を感じた次第です。


    [No.7016] Re: 寺院のしきたり 投稿者:くるくる  投稿日:2015/03/21(Sat) 23:06
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    紫雲さん

     ご上人(弟)様のご逝去を悼み、お悔やみ申し上げますと共に
     心よりご冥福をお祈り致します。


     まだまだお若く、辛い闘病をなさっていらっしゃる事は存じておりましたが
     紫雲さんのお悲しみお察し致します。
     
     しきたりに乗っ取って、まだまだ大変でいらっしゃるでしょうが、
     紫雲さんもお疲れが出られませんよう、どうぞご自愛下さいませ。


                        合掌





     


    [No.7015] Re: 寺院のしきたり 投稿者:ぱらむ  投稿日:2015/03/20(Fri) 23:15
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    紫雲さん、

    ご回復が難しい状態であることは伺っていましたが大切な弟君をなくされた
    お悲しみはいかばかりでしょうか。ご住職としてお寺を再興され立派であられた
    のですね。
    心よりお悔やみ申し上げます。

    ぱらむ


    [No.7014] 寺院のしきたり 投稿者:   投稿日:2015/03/20(Fri) 17:22
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    紫雲さん、この度は、ご愁傷さまです。
    まだ、若いから、残念です。
    父を介護してるとき、やさしいお言葉を、かけて頂き、決して忘れていません。その父も、去年の9月10日に、大往生しました。その人生を、自費出版しました。寺のしきたりを、読んで、みる目が、かわりました。肉親の死は、悲しいです。あたしは、半年たっても、喪失感で、今もいっぱいです。
    元気出してください。


    [No.7013] Re: 寺院のしきたり 投稿者:まや  投稿日:2015/03/20(Fri) 06:48
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    紫雲さん、お早うございます。

     弟さんのこと、まずお悔やみ申し上げます。

    > 弟は一昨年に咽頭がんの手術をしたが、昨年、各臓器に転移された事が見つかった。
    > 住職としてお寺のやるべき事や自分が大切にした寺院を同じように守って欲しい!
    > 早く後継者を決めねば!・・・との思いもあり、4回の手術を受け再起する事にかけた!
    > その願いも叶わず13日に67歳の若さで還化された。
    >             ご上人(弟)は第二十七世であった。 

     ご上人さまのこと、お悔やみ申し上げます。
     どう申し上げればよいのか言葉がなくて・・・ただただ残念でした、とだけ。

     ご住職をなさったお寺さんや宗派のしきたりは存じませんが、すべてがお寺の
    本山とか門徒衆の采配のようなもので決められるのでしょうね。
     
     とにかく、弟さんが安らかにお眠りになられるように祈っています。
     そして、紫雲さんのお気持ちが安らかに弟さんのご冥福をお祈りできますよう
    にと念じています。(ふさわしい言葉を知りませんこと、お許しください。)

    まや


    [No.7012] Re: 寺院のしきたり 投稿者:オアシス  投稿日:2015/03/19(Thu) 21:39
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    格式あるお寺の僧侶として 13日身罷かれた(還化)された弟様を悼みあげます。
    4回の手術で癌と戦ったが快癒叶わず亡くなられたとは、大変でしたね。

    「ご上人(弟)は第二十七世であった。」
    いろんな人生があるんですね。
    「> 在家からお寺を任され住職になると言う事は並大抵の努力と強い意思が必要だった
     ろう〜」
    >御弟様は 大変な修行をなさり、癌と4回の手術と 特異な人生経験をなさって、、、
    >ご上人(弟)は第二十七世であった。 

    タイトル:寺院のしきたり
    特異?なしきたり 驚きをもって興味深く読ませて頂きました。

    ホント 普通の家庭で 平凡な人生で良かったぁ と感じました。

                          オアシス


    > 弟は一昨年に咽頭がんの手術をしたが、昨年、各臓器に転移された事が見つかった。
    > 住職としてお寺のやるべき事や自分が大切にした寺院を同じように守って欲しい!
    > 早く後継者を決めねば!・・・との思いもあり、4回の手術を受け再起する事にかけた!
    > その願いも叶わず13日に67歳の若さで還化された。
    >             ご上人(弟)は第二十七世であった。 
    >
    > 思えば、新宿の仏壇屋の六男一女の末っ子として誕生した。
    > 信仰深い母の願いもあり僧侶の道を選び、立正大学卒業後
    > 二年かけて自転車で北海道〜九州まで日蓮ご上人ゆかりのお寺を周り、
    > 帰ってきてから思うところあり、立正大学院に入学した。
    > その後各寺院で修行し、荒行も受けその結果が認められ今のお寺を任された。
    > 在家からお寺を任され住職になると言う事は並大抵の努力と強い意思が必要だったろう〜
    >
    > 任された寺院に家族で皆で行った時は、本堂は茅葺きの屋根で今にも蛇が出そう。
    > 住まいも荒れ果てて、こんな所には頼まれても私は嫌だな〜と思った!
    > 何年後、立派な本堂にし住まいも建て、墓地を整備したので沢山の檀家が増えた。
    > 檀家・親戚・本人の力により立派にした寺院だが、後継者不在の場合は最終的には
    > 宗教法人の持物となり、お返しする事になるのだ!
    >
    >  16日、通夜
    >    空も泣いてくれたのか冷たい雨の降る日だった。
    >    現住職の葬儀は100名程の僧侶が来てくださった。
    >    100名からの読経は厳粛で、私の拝む手は手のひらから離れない。
    >  17日、密葬儀
    >    空は昨日とうって変わり荼毘にふせる日には相応しい程晴々とした天気だった。
    >    大きい骨壷と小さな骨壷に分骨される。
    >    大きい方は歴代住職としてお寺の墓に。
    >    小さい方は故人のお墓に埋れる。
    >
    >  寺庭婦人(弟の妻)は4年前に他界し、一人娘の姪は一般人に嫁いだので、
    >  お寺のしきたりも知らなかった。
    >  勿論、私も知っているはずがない。
    >  現住職の次世継が決まっていない場合は密葬となるのだった。
    >  本葬は次住職が決まってから襲名披露と共に、その住職が喪主となり行われそうだ。
    >  従って今回は密葬となり、お香典などは一切受け取らない。
    >  3代の総代を務めている方も「住職が不在のままの葬儀は始めてだ!」と驚いていた。
    >   
    > それだから何処のお寺さんも男の子が欲しいのだ。
    > 女の子なら二男・三男のお坊さんを迎え、後を継がせる。
    > まるで歌舞伎の世界と同じ。 
    > 本葬には親戚の者も出席しなければならないけど 密葬でこのように盛大だったが、
    > 本葬はどんな形になるのだろうか? 
    >
    > それにしても、何処の世界もあれこれとキマリがあり面倒な事だ。
    > 普通の家庭で良かったぁ〜!   平々凡々と毎日平穏に過ごせられるのは幸せ。


    [No.7011] 寺院のしきたり 投稿者:紫雲  投稿日:2015/03/19(Thu) 15:53
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    弟は一昨年に咽頭がんの手術をしたが、昨年、各臓器に転移された事が見つかった。
    住職としてお寺のやるべき事や自分が大切にした寺院を同じように守って欲しい!
    早く後継者を決めねば!・・・との思いもあり、4回の手術を受け再起する事にかけた!
    その願いも叶わず13日に67歳の若さで還化された。
                ご上人(弟)は第二十七世であった。 

    思えば、新宿の仏壇屋の六男一女の末っ子として誕生した。
    信仰深い母の願いもあり僧侶の道を選び、立正大学卒業後
    二年かけて自転車で北海道〜九州まで日蓮ご上人ゆかりのお寺を周り、
    帰ってきてから思うところあり、立正大学院に入学した。
    その後各寺院で修行し、荒行も受けその結果が認められ今のお寺を任された。
    在家からお寺を任され住職になると言う事は並大抵の努力と強い意思が必要だったろう〜

    任された寺院に家族で皆で行った時は、本堂は茅葺きの屋根で今にも蛇が出そう。
    住まいも荒れ果てて、こんな所には頼まれても私は嫌だな〜と思った!
    何年後、立派な本堂にし住まいも建て、墓地を整備したので沢山の檀家が増えた。
    檀家・親戚・本人の力により立派にした寺院だが、後継者不在の場合は最終的には
    宗教法人の持物となり、お返しする事になるのだ!

     16日、通夜
       空も泣いてくれたのか冷たい雨の降る日だった。
       現住職の葬儀は100名程の僧侶が来てくださった。
       100名からの読経は厳粛で、私の拝む手は手のひらから離れない。
     17日、密葬儀
       空は昨日とうって変わり荼毘にふせる日には相応しい程晴々とした天気だった。
       大きい骨壷と小さな骨壷に分骨される。
       大きい方は歴代住職としてお寺の墓に。
       小さい方は故人のお墓に埋れる。

     寺庭婦人(弟の妻)は4年前に他界し、一人娘の姪は一般人に嫁いだので、
     お寺のしきたりも知らなかった。
     勿論、私も知っているはずがない。
     現住職の次世継が決まっていない場合は密葬となるのだった。
     本葬は次住職が決まってから襲名披露と共に、その住職が喪主となり行われそうだ。
     従って今回は密葬となり、お香典などは一切受け取らない。
     3代の総代を務めている方も「住職が不在のままの葬儀は始めてだ!」と驚いていた。
      
    それだから何処のお寺さんも男の子が欲しいのだ。
    女の子なら二男・三男のお坊さんを迎え、後を継がせる。
    まるで歌舞伎の世界と同じ。 
    本葬には親戚の者も出席しなければならないけど 密葬でこのように盛大だったが、
    本葬はどんな形になるのだろうか? 

    それにしても、何処の世界もあれこれとキマリがあり面倒な事だ。
    普通の家庭で良かったぁ〜!   平々凡々と毎日平穏に過ごせられるのは幸せ。


    [No.7010] 忙しかったー 投稿者:あや  投稿日:2015/03/12(Thu) 18:37
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    今日は時間ができたので、1日家にいられるとルンルンでしたが、やることは
    いっぱいあったのです。
    クラブの会計のこと、保健活動の会長となっていることで、役所からの交付金の
    提出のための書類作成のこと、連合や町内会が年度末のため、なにやかやとあり、
    と、なんともやりきれない日が続いているのです。

    そんなことで、今日は少し余裕があるかなと思ったのですが、やはり1日とられて
    しまって、自分の時間は今だけとなってしまいました。

    今日1日を振り返ってみると、
    朝、5時に目覚め寝ていられなくなりました。起きだして、パソコンに向かい、
    クラブの会費関係のチェックをやったのです。
    食事はそこそこに終えて、そのまま12時くらいまでパソコンに向かっていたで
    しょうか?

    そこで、昼も簡単なものを食べて、会館へ行き、保健活動員会のみなさんへ支払う
    交通費の表を完成させました。明日の夜、みなさんに集まってもらい、支払うの
    です。

    なんとか終わって、そこからどのくらいな距離があるか坂道を駆け上り、知人宅へ
    頼まれていた種類を届けました。
    家に帰ってきたのは16時になっていたか、30分以上も歩いたのです。

    と、そこへ電話が鳴って、保活の副会長をやっている人からでした。
    「どこにいますか? kさんから電話があって、明日は出席できないとのこと、
    私は丁度ゆうちょへ、明日の支払いのお金を崩しに行くので、ゆうちょで会って
    お金を渡し、印鑑をもらおうと思っています」

    さっき会館にいることを伝えたので、まだ会館にいるとも思ったのだろうか。
    「二丁目を回って帰ってきたところです。印鑑をもらう表を持って行きます」
    と、登りの坂道を走って行きました。

    私のハァハァという息遣いにびっくりした二人、さて印鑑をもらおうと書類を
    広げたら、その印鑑はシャチハタだった。このような印鑑では通じないのだ。
    昨年もやっていて、せんだっての打ち合せ会でも話したはずなのに、つい便利な
    印なので、持ってきてしまったのだろうか。

    「すみません。取りに行ってきますので、お二人で離していてもらっていいですか」
    と飛んで行ってしまいました。
    どのくらいの時間がかかったか、近いといっても、今日は風が強く、冷たい中で
    建物の脇に身を寄せて待ったのです。

    無事に印鑑をもらうことができました。提出はまだ先のことなのであわてることは
    ないのですが、彼女の出席できない状況を聞いて納得しました。
    彼女の実家に住まわれる父母がお年を召二人暮らしのことで、彼女が助けにいかなく
    てはならなくなったということでした。

    彼女に支払った交通費は2か所へいった分で、1160−だけのことでした。
    これだけのことで、1時間以上も費やすなんて? と思ってしまいました。

    「母上がよくなるように、気をつけていっていらっしゃいね」など声をかけて
    別れました。

    家に戻って、パソコンを開き、クラブの何人かの方からのメールに返信をし、
    そんなことで、最近読むこともできなくなっている、この部屋へちょっと書き込み
    してみようかと思い、書いています。

    これを書き込むのにも慌てふためいています。食事の支度を、洗濯物をたたむ、
    風呂場を洗うなどしなければなりません。

    明日は、連合の代議員会開催の通知を配布、保活の会議・そのあと年度末の食事会
    があります。
    このような毎日を送っていることで、今日だけが「忙しかったー」ではないのです。

    お読みいただけたら幸いです。


    [No.7009] 浅草今昔 投稿者:KANCHAN  投稿日:2015/03/05(Thu) 14:04
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    画像サイズ: 300×409 (22kB)
    KANCHANから送られたエッセイを掲載します。(GRUE)

    ---------------------------------------------
    浅草今昔     KANCHAN


     年末、私はブラジルからの客を連れて、浅草寺に行って来た。
    結構な人出である。さて、日本人は信心深いのか?

     実は、私は珍しい本を読んだ。トロイの遺跡を発掘したことで
    有名なハインリッヒ・シュリーマンの清国・日本旅行記である。
    なんとシュリーマンはトロイの発掘の6年ほど前(1865年)に、
    幕末の日本を訪れているのである。

     本の中での日本は、私が残念に思うようなことがありのままに
    描かれている。横浜港に着くと、寄って来た二人の若い屈強な
    男たちは、下帯一本で体中に入れ墨をしていた。更にショッキング
    なのは皮膚病のかさぶたで覆われていたという。横浜から江戸に
    向かう東海道で、彼は将軍の行列を見物する。その大仰さに驚く
    のであるが、翌朝、行列が通った後に、誤って行列を横切り、
    切り殺された百姓の死体が放置されているのを見る。

     彼は日本に約一カ月滞在して、江戸市中の他、当時から有名で
    あった絹の生産地・八王子を訪れたりしている。彼が感心した
    ことの一つは、彼の乗った馬に、遅れまいと駆けてついてくる
    人足達に、お礼の金子を渡そうとしたところ、絶対に受け取ろう
    としなかったという。また、道中の休んだ茶屋では、畳の家の
    清潔さに感心し、又庭園が美しく整備されていることに感銘を
    受けている。

     面白いのは、数十人のやじ馬に囲まれて浅草を見学に行った
    時のことである。浅草寺の仲店や本堂の描写は、現在とあまり
    変わりがないのであるが、本堂近くに大きな花魁の絵姿が飾ら
    れていたという。そして、参詣人の遊女というものにたいする、
    あっけらかんとした、ある種憧憬の気持ちがあることに驚いて
    いる。

     彼は境内の大きな芝居小屋に入る。そこではかなり分かり
    やすい、勧善懲悪の芝居を、涙をながす観客と共に楽しんだ。
    しかし彼はこう結論づけている。

     「日本の宗教について、私は、民衆の生活の中に真の宗教心
    は浸透しておらず、また、上流階級はむしろ懐疑的であると
    いう確信をえた。ここでは宗教儀式と寺と民衆の娯楽とが奇妙に
    混じり合っている」どうやら浅草の今昔は殆ど変っていないの
    かもしれない。

     彼の日本文明論はこう続く「もし文明と言う言葉が、物質
    文明を指すと言うなら、日本人は極めて文明化されている。
    日本人は工芸品において、蒸気機関を使わずに達しうる最高の
    完成度に達している。それに、教育はヨーロッパの文明国家
    以上にも行き渡っている。男も女も、みな仮名と漢字で読み書き
    が出来る」しかし同時に彼は、当時の幕藩体制下の日本人に
    ついて、近代的な宗教・思想の発達が遅れていることを指摘して
    いる。なにか、現代の中国の状況の様でもある。

     彼は当時(43歳)、一介の商社の経営者にすぎなかったが、
    伝手をオールコック総領事に求めて、難しい政治情勢の日本に
    潜り込んできたというのは、面白い話である。

    (2015.2.21)


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